硝子の花瓶を歯ブラシ立てに。
道具、というのは必ずしも製作者の意図に沿って使われるとは限りません。
警告や危険を伝えるために作られた車のハザードランプが後続車へ感謝の意を伝えるラブレターとして使われていること。可愛い女の子の画像に投票するツールだったFacebookがグローバルでオフィシャルなコミュニケーションツールに変化したこと。
作り手の考えと、使い手のアイデア。
この二つが混ざり合い溶け合って、また新たなプロダクトが生まれていきます。
質感の良い黒い筒がほしかった
ここ数ヶ月の間、僕がずっと探していたものがあります。
それは「黒くて質感の良い細い筒」。
なぜそんなものを、と思うかもしれませんがどうしてもほしかったのです、「筒」が。
そして先日ようやく見つけることができたのがこちらの「筒」。
菅原工芸硝子株式会社という千葉の九十九里にある会社が出している硝子(ガラス)製品ブランド「Sghr」の製品です。
表参道にあるD&Department Projectにふらっと立ち寄った時に棚に置いてあって、一目惚れ。
正確には触ったときの質感にやられたので、“一撫で惚れ”でしょうか。
黒くマットな質感ですが立派な硝子製品。
表面にフロスト加工がしてありサラサラとした気持ちの良い触感が表現されています。
気に入ったのはこの薄さ。
手作りとは思えないくらい均一に硝子が伸ばされ円柱状に固められています。人が作っているのに、まるで機械が作ったように無駄なく無機質。その矛盾に、より魅力を感じてしまうのは何故なんでしょうか。
底面には薄く小さく「Sghr」のロゴマークが。さり気なさがまた好み。
お店の人に「これは何のために使うものなんですか?」と聞いたら、「これは花瓶です」との答えが。
中に水を入れ、背の低い花を飾るための道具らしいです。
シンプルで色のない花瓶、活ける花の魅力を存分に引き出してくれる逸品でしょう。
花の代わりに歯ブラシを
僕が家に持って帰ってきてこの花瓶に差したのは花ではなくて、歯ブラシ。
ずっと探してたんです、洗面台におけるスリムでシンプルな黒い歯ブラシ立てを。
「歯ブラシ立て」というジャンルで探していても、イメージ通りのモノが全く見つからなくて諦めかけていたところに出会ったのがこの「花瓶」でした。
製作者の意図とは異なるかもしれませんが、僕にはこの形と使い方がしっくりくる。クセがないデザインだからこそいろいろな用途に使えるのかもしれませんね。
「歯ブラシ立て」や「花瓶」のようにモノの「使い方」で区切るのではなくて「円柱」や「黒」など属性でモノを探せるサービスやお店があったら面白いだろうな、とこの花瓶を見て思いました。
モノは一つでも使い方は人の数だけ存在するのだから。
洗面台が統一されてきた
今回の歯ブラシ立ての仲間入りで、僕の家の洗面台が僕好みに大きく近づいてきました。他に並べているのはこのあたり。
・視界に溶け込むミニマルな食器用洗剤ボトル「sarasa design b2c Squeeze bottle」
・コンパクトなハンディミル「ポーレックス コーヒーミル ミニ」
生活の隅々まで自分が選んだもので囲まれていると、毎日の歯磨きや食器洗いが楽しくなります。あともう少しで洗面台周りも完成するので王手かけにいきたいと思います。
ジェットウォッシャーも仲間入り
洗面台周りのアイテムといえば、先日書いたジェットウォッシャー ドルツの記事が大反響をいただいて、monograph経由で1日で300個以上のドルツが売れました。
口の中に潜むザリガニを根こそぎ追い出してくれる、今では必須のアイテムです。