紙袋を抱えたくて。
茶色い紙袋の中から背の高いフランスパンを覗かせて、トレンチコートを羽織ったパーマの外人が石畳を歩いている。
添えられているコピーは、
“今日は久しぶりの休日、早起きして近くの市場(マルシェ)で朝ごはんを探しに”。
雑誌の単ページでよく見かける、定番のカット。
ベタなシーンですし、フィクションだとは分かっていても、その世界観に憧れてしまう自分がいます。僕は外国人じゃないし、フランスパンなんて買わないし、そもそもマルシェなんて日本にそうそうないでしょう。それでも、分かっているけど、何故だか格好良いじゃないですか。
そんな漠然とした憧れはあるものの、現実的に考えてみると紙袋は重さにも水気にも弱く耐久性が低いため持ち歩くモノとしては若干の不安があります。また、見方によっては少し貧相というかみすぼらしく見えてしまう可能性も。
そんな懸念からずっと見送ってきた「紙袋を小脇に抱える」という挑戦の、背中を押してくれるアイテムと出会うことができました。
佐賀・有田で見つけた布袋
先日、取材で佐賀を訪れる機会があり、その際に立ち寄ったのが有田町の「bowl(ボウル)」というセレクトショップ。
店主さんのセンスが溢れた雑貨屋で、棚ごとに一つの世界観がきちんと構築され、かつ有田の良いモノがテーマに沿って並べられているという素晴らしいお店でした。
その棚の中でふと目に止まった、鮮やかなマスタード色。
WOLのキャンバスバッグ
ビビットな色彩に惹かれ手に取ったのは厚手のキャンバス地を繋ぎ合わせた長方形の物体。
ラベルを見てみるとそこには「CANVAS BAG」という文字が。分かりやすく言えば布袋。自由度高く中に何でも入れられてくるっと口を折り返すだけのシンプルなバッグです。
抱える「差し色」
大きさはコンパクトですが、中には何の仕切りもないので自由度高くモノを入れて持ち運ぶことができます。
ちょっとした外出なら、財布とスマホとカメラだけ入れて。
そう、こういうのやりたかったんですよね。
袋を小脇に抱えて、身軽に街をぶらりと歩くやつ。
今回僕が選んだ色は発色の良いマスタード色。
僕が雑貨屋の沢山の商品の中から目を引かれてしまったように、一つ手に持つだけでワンポイント的なアクセントとして装いを彩ってくれます。
紙袋みたいな、布袋
クラッチバッグのような感覚で、サッと持ち出せる布袋。
長方形の四角い形をしているので、あの憧れの紙袋を持ち歩いている姿と見た目は同じ。それでいて素材は厚手のキャンバスを使っているので丈夫ですし汚れにくい。使い込み、洗いざらす内に経年変化が味として残っていく様も楽しみの一つとして長く付き合っていけるという良い点も。
この鮮やかなマスタード色が、どのように色褪せていくのか。
革小物と同じように育てていきたいモノの一つです。
大きくまとめるバッグインバッグ
シンプルがゆえに用途は多彩。気軽な散歩にはクラッチバッグのような使い方で単体で持ち運びますが、かさばる荷物がある時は僕はバッグインバッグのように使うこともあります。というかこちらの使い方のほうがメインと言ったほうがいいかもしれません。
中身は毎週行っているジムグッズ。ウェアやスニーカー、タオルなどをひとまとめにして、くるっと折り返し。
コンパクトなモノで気分を上げる。僕が毎週使っているジム用品5つ。
今まではバッグの中でそれぞれ散らばっていたのが、一つの袋として鞄にしまえるので見た目的にも物理的にもすっきりと。これくらいの小物入れよりも少し大きいサイズの袋って珍しいんですよね。
憧れを手の届くカタチに。
「紙袋でフランスパンを持ち運ぶ」のは少しメルヘンというか、日常生活に取り入れるのはハードルが高く感じますが、「布袋をクラッチバッグとして抱える」「オーガナイザーとして鞄の中に忍ばせる」というのは現実的な提案でしょう。
「憧れ」を持つことは大事ですが、それをそのまま実現することだけが正解ではないよ、と教えてくれた小さな布袋。
BROWN CANVAS BAG – CDC GENERAL STORE
いつもの鞄の中身はこちら
普段僕が持ち歩いている定番アイテムたちはコチラの記事にまとめてます。宜しければ合わせてどうぞ。