デジタルとリアルの境界線を無くすウェアラブルガジェット「sixth sense」。SF映画の時代がやって来る!
2014/11/16
「シックスセンス」と聞いて何を思い出しますか?僕はあの映画のやつを思い出しました。PITE.(@infoNumber333)です。
今日は友達とガジェットについての話をしている時に「これ凄いんだよ!」と教えてもらった未来の技術を紹介します。
その名も「Sixth Sense(第六感)」
”デジタルの世界を現実へと持ってくる”という今までのデバイスとは一線を画す面白いコンセプトの製品です。
TEDで動画が公開されていたので早速その内容を解説していこうと思います。
この動画を見た時は僕もワクワクが止まりませんでしたよ。
現実をデジタルの世界に持ち込む。
「Sixth Sense」の開発者、プラナフ・ミストリーさんは最初、日常で日々使っているジェスチャーをデジタルの世界に持ち込むことはできないだろうかと考えました。
今はキーボードやマウス、タッチパネルなどがデータ入力の主流デバイスですが、ジェスチャーをそのまま読み取った方がより直感的に、素早くデジタル世界にアクセスできると思ったからです。
プラナフさんはまずマウスのセンサーに注目しました。
そしてマウスを解体し、ボールの動きを読み取る2つのセンサーがマウスのコアだという事を知ります。
同じようにもう一つマウスを解体し、中に仕込まれている合計4つのセンサーを使って彼は(たぶん)世界初のウェアラブルガジェットを開発しました。
それがこちら。指先に紐を付け、その紐の移動距離によって指の動きを読み取る仕組みです。
極めて原始的な作りにも関わらず、これで指の動きをそのままデジタルの世界へ伝えることが可能になりました。
そして彼は研究を重ね、3D情報をそのままデジタル情報へと変換する3Dペンなども開発していきます。進歩が早い。
次はデジタルを現実の世界へ!
こうして”現実をデジタルの世界に”持ち込むことに成功したプラナフ氏は次は”デジタルを現実の世界に”持ってくることができないかと考えました。
最初はデジタル情報を現実に投影するため、大きなプロジェクターを頭に付けることにw この辺ちょっとアホっぽくて好感持てます。
そして研究を重ね、これくらいの大きさまで縮小化、軽量化されました。でもこれはさすがにウェアブルとは言いがたい…と思った次の瞬間!
画面に映るさらに改良、小型化されペンダントタイプのガジェット。
これが「Sixth Sense」です。
この小型プロジェクターから映しだされる映像に手をかざしたり、触れたりすることによってデジタルを現実の世界で体験することが可能になります。
基本的には”指の動きを感知する”というのが主な機能です。
しかし、これを応用した使い方がものすごい。
例えばこのように指で枠を作るようなジェスチャーをすると、その指の間に映る風景を写真として切り取ることができます。
これは一度やってみたい。
もしかしたら数年後の未来にはこうやって写真を取ることが主流になるのかもしれません。
撮影した写真は壁さえあればどこでも編集やシェアをすることが可能です。
もし身近に壁がなくても大丈夫。
このように手のひらに画面を投影することもできます。
これは左手にダイアルを投影して電話をかけているところです。
これも格好良いなァ。
他にも腕をかざすと時計が確認できたり、
本のタイトルからネットのレビューを確認できたり、
床を使ったホッケーゲームや、
相手を認識して、名刺代わりの情報を表示させることも出来ます。
応用の幅がすごい。
そしてこの「Sixth Sense」が本領を発揮するのはここから。
何でも良いので「紙」を専用のデバイスで接続します。
するとそこに映像を投影できたり、
文章やウェブサイトを映し出すことができます。
今の時代はタブレット型のデバイスを持ち歩くことが流行っていますが、もしこれが実用化されれば持ち歩くのは紙一枚で済んでしまいます。
他にも地図を読み取って各地の気温を表示したり、
新聞の一面の画像を動かしたりすることも。
飛行機のチケットをかざせば時間を教えてくれますし、
紙を傾けてレースゲームを楽しんだりすることもできます。
画面のいらない未来のガジェット。
この「Sixth Sense」が優れているのは”画面を必要としない”ということにあります。逆に言えば日常のもの全てが画面になりうるということでもあります。もしかしたら将来はスマホもタブレットも持ち歩かずにデジタル世界へとアクセスできる世の中が広がっているかもしれません。
そして驚く事なかれ、この「Sixth Sense」の発表がTEDで行われたのはなんと2009年!
実はこれもう4年も前に発表された技術なのです。
発表後、「Sixth Sense」はオープンソース化されたそうで今でも研究が続けられています。4年たった今、この技術がどれだけ進歩したか楽しみです。
以前紹介した”立体”をリアルタイムで伝達できる凄い技術「inFORM」やジェスチャーだけでガジェットを操れるコントローラー「MYO」のようにこれからは”人間の自然な動き”に着目したウェアラブルデバイスが流行していくんじゃないかなァと僕は思っています。