Ankerの完全ワイヤレスイヤホン「Zolo Liberty+」登場。無印「Liberty」と比較してみる。
2018/06/05
”ガジェット界のユニクロ”ことAnkerが遂に進出し始めた「完全独立(ワイヤレス)イヤホン」という新たな領域。先日書いた「Zolo Liberty」に続き、上位モデルの「Zolo Liberty+」が本日登場しました。
バッテリー分野では他の追随を許さない覇道を歩み始めているAnkerですが、現在はBluetoothイヤホン分野でも今かなり侮れない存在になっています。色々なイヤホンを聞き比べていますが、正直Ankerのイヤホンは贔屓目なしで見ても相当に質がいいです。2〜3倍の価格帯のイヤホンと比較をしても全然引けを取らないレベル。
その技術は「完全ワイヤレス」という領域でもしっかりと受け継がれていて、通常モデルの「Zolo Liberty」の時点でもおよそ8,000円弱とは思えないほどのクオリティを誇ります。
今回、その上位版「Zolo Liberty+」が登場したので無印との極めてフラットで正直な比較レビューを書きたいと思います。今回は結構悩ましい結果となりました。
zolo liberty 無印のレビューはこちら
今回は「Zolo Liberty」の上位機種である「Zolo Liberty+」のレビューです。
無印バージョンの記事も先に書いておりますので、まずはこちらをご覧下さいませ。
8000円で買えるAnkerブランドの完全ワイヤレスイヤホン「Zolo Liberty」
無印は軽量ですが音質に妥協のない、コスパ抜群の素晴らしい機種だとおもいます。
Zolo liberty+ 実機レビュー
こちらが今回新たに登場した「Zolo Liberty+」が入ったケースです。表面の材質が変わり、縁取りに銀色のラインを追加。やや高級感を増した作りになっています。
無印のケースと比較してみると、ややPlusの方が小さくなっていますね。本体はコンパクトになりましたが手に持った時の重量感はPlusの方が大きく、凝縮されたガジェットの良さを感じます。
バッテリー持続時間が2倍に
後述しますが、「Zolo Liberty+」では無印と比較してケースを含めた電池性能が2倍にパワーアップしています。無印は連続再生24時間に対し、「Zolo Liberty+」は連続48時間の使用が可能。ケースの重量感が増しているのはそのせいでしょう。
上蓋を開けてみるとサイズの違いが分かりやすいですね。基本的な使い方は変わらず、ケースから取り出すと自動で手持ちのデバイスとペアリングしてくれるという仕様です。
本体のバッテリーは変わらず3.5時間
ここで一つ注意をしたいのが、ケースを含めた連続使用時間は倍に増えていますが、イヤホン単体での連続使用時間は3.5時間と変わらないという点。
一日集中して作業をしていると3.5時間イヤホンつけっぱなしということはざらにあるので、この単体での時間が短いのはシビアに感じます。逆にケースに収納しての時間は24時間も持てば充分なので、正直な感想としてはケースのバッテリーよりもイヤホン本体のバッテリー寿命を伸ばしてもらう方が魅力的でした。
イヤホンが、丸く大きく。
もう一つ重要な点として、これは是非伝えておきたいのですが「Zolo Liberty+」は一部機能が向上した影響か、イヤホン本体のサイズが大きくなっています。
上の画像の左が無印、右が「Zolo Liberty+」なのですがスリムな形状の無印に比べて「Zolo Liberty+」はかなりずんぐりむっくり。重心も外側に寄っているため、僕の耳にはあまり合わずすぐポロリと落ちてしまうほどフィット感が良くありませんでした。無印の時はすっぽりとハマったのですが、「Zolo Liberty+」の場合は付属のストッパー付きのアタッチメントを付けてどうにかというくらい。
実際はこの後イヤーピースを別売のものに付け替えてかなり良くなったのでそちらは後ほど記事にいたします。他にも周りで「フィット感が悪い」という声は散見するので、もしかしたら日本人には合いづらい形状なのかもしれません。
アプリ対応でイコライジングの調整が可能
無印との差異で言うと、「Zolo Liberty+」は専用アプリが用意されており、アプリを介したイコライジングの調整が可能です。現段階では細かな調整はできず、「ポップス」「EDM」「クラシック」などの大まかなジャンルの中から選ぶという仕組み。
僕は集中して音楽の中に入り込みたいタイプなので、音が響きやすい「EDM」モードにして一人の世界によく閉じ籠もっています。
スペックで比較してみる
機種 | Liberty | Liberty+ |
---|---|---|
ドライバ | 5.5mm グラフェン ダイナミックドライバ (×2) | 6.0mm グラフェン ダイナミックドライバ (×2) |
Bluetooth | ver.4.2 | ver.5.0 |
連続再生時間(本体) | 3.5時間 | 3.5時間 |
連続再生時間(ケース) | 24時間 | 48時間 |
周辺音取り込み機能 | ☓ | ○ |
アプリ対応 | ☓ | ○ |
価格 | 7,999円 | 14,980円 |
外観以外の見えないところを比較してみるとこのようになっています。使われているドライバーはどちらも「ダイヤモンドよりも硬い」と言われる炭素素材「グラフェン」を使用。歪みなくクリアで透き通った音質を再現してくれます。「Zolo Liberty+」の方が若干径の大きいドライバを使っているため低音が響きやすい造り。
対応のBluetoothバージョンも5.0と2018年1月時点で最新の規格です。4.2に比べて速度が2倍、通信範囲も4倍と非常に強力になっています。通信強度と速度が重要な完全ワイヤレスイヤホンではこのアップデートは重要でしょう。
他にもイヤホンを付けながらマイクで周囲の音を集音してくれる「周辺音取り込み機能」も搭載。コンビニで会計したりする時に会話ができるので結構便利です。
実際、どっちが買いなの?
ここまでざっと比較をしてみましたが、無印と「Zolo Liberty+」のどちらを買うか、というのは非常に難しい問題です。
確かに機能自体は「Zolo Liberty+」に部がありますが、大きな差としては「音質」と「周辺音取り込み機能」くらいで充電容量など後の機能は正直おまけ程度だというのが僕の印象です。
とはいえ音質は驚くほど良く、きちんと耳に嵌めれば3万円近くする完全ワイヤレスイヤホン「THE DASH」の音質を超えるほど。これ、信じられなくて何度も聴き比べてみたのですが、僕の感覚で言うと「Zolo Liberty+」の方が音の広がり、音圧、解像度、全てが上に感じました。
その他機能の操作性等は「THE DASH」に分があるのですが、この分野の技術の進歩の流れは速く、本質的な性能では既に「Zolo Liberty+」が上回っているといると言えるでしょう。
7,000円と無印と価格差はありますが、それでも15,000円でこのイヤホンが手に入るのは相当安い買い物であることは間違いありません。というか8,000円で張り合うクオリティを出せる無印が正直化け物。
あくまで僕の耳の場合ですが、そのままの状態なら無印に部があると思います。ただ、イヤーピースを付け替えてフィット感を補完し潜在能力を100%出し切れるのであれば「Zolo Liberty+」がやはり優れていると感じます。
優劣で言うとこんな感じ。
プラス(通常)<無印<プラス(イヤーピース付属)
ちょっと中途半端な結論になってしまって申し訳ないのですが、明日そのイヤーピースについての記事も書きますので合わせてご検討下さい…!