暮らしを揺らす光と音。SONYのグラスサウンドスピーカー「LSPX-S2」
必要最低限のモノだけあれば生活できる、というのはその通りだと思うけれど、その「最低限」は人によって全く異なる尺度。
四畳半で生きられるという人もいれば、自然に囲まれた広い庭が必要だという人もいる。本がない暮らしなんて考えられないという人もいれば、映画を見るのが生き甲斐だという人も。
人によっては無駄に見えるモノかもしれないけれど当人にとっては生活に欠かせない大切なモノ。
重要なのは「自分にとっての無駄」を省くことであって、それぞれの人生において大事なモノは、側に置いていつでも抱きしめてあげられるようにした方が良いと思います。
この考え方はモノのデザインにも反映されるもので、その好例がBALMUDA(バルミューダ) の「The Pot」。持ち手のランプは決して無くても困らないけれど、あると生活にちょっとした癒やしが生まれる。
必要ではないけれど、無駄ではない。
これが僕の「最低限」の考え方です。
暮らしに灯るガラススピーカー
そんなBALMUDA(バルミューダ) の「The Pot」と同じ考えを感じる、スピーカーを暮らしに取り入れたので今回ご紹介したいと思います。
SONYから先日発売されたガラスを使ったスピーカー「LSPX-S2」です。
まずこの形状を見て「これ音出るの?」と驚く方も多いと思いますが、こちら技術の粋を結集して作られた完成度の高いBluetoothスピーカーです。
“空間を変えることで、暮らしに新しい体験を創出する”というコンセプトのSONYの「Life Space UXシリーズ」の一つとして加わった新製品。
「LSPX-S2」の特徴は見ての通りなのですが、ガラス素材を使った本体構造。このガラスはデザイン面だけでなく機能面としても意味のある素材です。
「LSPX-S2」は本体の上部、中部、下部で出る音の種類が異なっていて、上部が高音、中部が中音、下部が低音という分かれ方。
上部のガラス部分がトゥイーターの役割を為し、高音を美しく増幅し広げてくれるという機能を持ちます。
このガラス部に音を「当て」て振動させて音を出すので、シンバルやスネア、ボーカルの「ぱ」や「ば」等の破裂音が粒立って聴こえるんですよね。繊細な表現に長けていて、本当にそこで歌手が歌っている感覚。
そしてこの形状から、360度全体に音を発してくれるという特徴も。家の真ん中に置いておけばどこでも音を楽しめる、そして真ん中に置いておいても邪魔にならないデザイン。
ガラスのトゥイーターには、音を減衰させずに遠くまで届けるという力もあり、スピーカーから遠く離れても同じように音楽を楽しむことができます。
まるでイヤホンを付けているように、部屋の中で移動をしてもずっと心地良い音量で包んでくれる。
高音を重視しているためか低音域の圧はそこまで強くはないのですが、オプションで低音をブーストできる機能もあるのでグルーブ感を補うことはできますね。
揺れるキャンドルの灯火
「LSPX-S2」が揺らしてくれるのは音だけではありません。
電源を入れるとじんわりとガラスの中に暖かなライトが灯り、空間を照らす間接照明として機能するように。
まるでキャンドルの火のように灯りが明滅し、部屋に一定のゆらぎをもたらしてくれます。
キャンドルの明るさは下部のボタンで調節ができ、ゆらぎのオンオフも設定可能。
家に帰ってきて一息落ち着きたいなという時に、暖かい飲み物を飲みながら、このゆらぐ光を眺めて好きな音楽を聴く。
このシーンが自然と思い浮かぶということが、いかにこの製品がコンセプチュアルかを表しています。
高解像度の音源にも対応
「LSPX-S2」は発する音自体の解像度も非常に高く、有線接続またはWi-Fi接続でハイレゾ音源の再生が可能。
Wi-Fi接続で直接Spotifyの音楽を流すことができるのですが、Bluetoothで接続して再生したときよりも明らかに音が綺麗で驚きました。
Wi-Fi接続時の方がより明瞭でクリアにそれぞれの音を聞き分けられるように。僕は音楽を聴く際はほとんどSpotifyなので、自宅の音楽体験をより豊かなものにしてくれました。
Wi-Fiに接続しておくと本体底面の音符マークボタンを押すだけでSpotifyの曲を再生してくれるという機能も。直近の曲を再生したり、プレイリストを指定したりと独自の設定が可能です。
そして複数台の「LSPX-S2」を同時に接続し、ステレオ再生をすることもできたりします。これをデスクに2台並べて音楽流す図を考えたらもう堪らないですね。。実際買おうか少し悩んでいます。
ちなみに充電はMicroUSB端子で行います。USB-Cだったらもう完璧だった。
暮らしに灯る光と音。
空間は視覚や聴覚や嗅覚と様々な要素から織りなされるもの。自分が長く時間を過ごす場所ならば、その全てを心地よく感じる状態で揃えたい。
この「LSPX-S2」は視覚と聴覚を同時にデザインしてくれるスピーカー。インテリアとしても音響機器としても一級品の、暮らしを揺らすデバイスです。
動画で光をじっくりと
今回の「LSPX-S2」はYoutubeでもレビューをしています。光の揺らぎやサイズ感など分かりやすいのでよければ是非ご覧になってみてください。
関連:灯るドリップケトル
同じコンセプトを感じる製品としてご紹介したバルミューダの「The Pot」を関連としてご紹介。こういう適度な遊びがあるからこそ、生活が豊かになるのだと思います。
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