有田焼を指に巻く。「2016/」の指輪が自然なアクセントに。
2018/06/10
「アクセサリー」はあくまで装飾。必要かと問われると滑らかに首を縦に振ることが難しい。今まではそう思っていました。
僕の中ではネックレスもピアスもどことなく軽薄なイメージがあって、身につけることに少し抵抗が。その中でも特に「指輪」はファッション以外の文脈的な意味もあり、敬遠しがちなモノの一つでした。
きっといつか誰かと結婚するその日まで、指に輪を通すことは無いのだろう。そう考えていた僕の指に、今一筋の線が通っています。
有田で自分へのおみやげを。
先日mediacruiseという企画の取材で訪れた佐賀有田の地。
個性ある職人達が作る「現代」の有田焼の中で、ひときわ煌めいて見えた一つの指輪がありました。
それが「2016/」というブランドの有田焼で作られた指輪です。
「2016/」は海外のデザイナーと有田焼の職人さんがコラボし、今までの有田焼になかった発想で製品を作り出そうという試みのブランド。
そのコンセプト通り、有田焼の技術を使って「アクセサリー」を作ってしまうという新しいアイデアが形になったのがこの指輪なのです。
デザイナーはドイツで活躍する「サスキア・ディーツ」氏。日本の伝統工芸でよく用いられる「鱗」というモチーフを元に作られた小さくとも立派な「有田焼」です。
指輪という「装飾」の一つであるにも関わらず不要な華美さがないというのが個人的に惹かれたポイント。
外側はマットで落ち着いた質感、内側はさらりとした肌触りというギャップにもそそられ、有田から自分へのお土産として東京まで持って帰ってくることにしました。
指元に一筋のアクセント
有田から帰ってきてから、ほぼ毎日僕はこの指輪を巻いて生活しています。
色も光沢のない黒なので主張しすぎず自然と身につけられ、さり気ないアクセントになるバランス感がちょうど良い。
ゴールドやシルバーなどの煌めいた装飾をつけるにはまだ勇気が足りませんが、これなら僕でも巻いて歩くことができます。
普段のファッションに一筋、線が入るだけでどことなく全体が締まって見える。削ぎ落とすのではなく、加えることによって完成度が上がる。
これくらいの「装飾」だったら取り入れてもいいなと考えを変えさせられた、一つの指輪。