経年変化と生活の変化、財布の変化。[PR]
2017/12/15
先日の韓国での取材から帰国し、一息つこうとコーヒーを淹れながらテレビの電源を入れた。ビジネス系のニュース番組が流れ始めたので、服を畳みながら横目に見ているとレポーターが何やら中国語で街頭インタビューをしている。特集の内容は「キャッシュレス決済」。中国では現金の信頼度が元々低かったこともあり電子決済によるキャッシュレス化が急速に浸透しているらしい。
スーパーやコンビニでの支払いはもちろん、個人間のやり取りもすべてがオンラインでキャッシュレス。最近では結婚式のご祝儀までQRコードで集めるなんてこともあるのだとか。インタビューに答えていた男性ももう1年間現金に触ったこともないし、現金がどこにあるのかも知らないという。すごいなぁ、海外は進んでいるなぁと月並みな感想を覚えた頃にはコーヒーがすっかり冷めてしまっていた。ながら見のつもりがいつの間にかすっかりテレビに見入ってしまっていたようだ。これも勉強の対価、と思いながら酸味の増したコーヒーをすする。
上の話は海外とはいえ海を挟んですぐ隣の国の話。少なからず近い将来にこの流れは日本にも確実にやってきます。僕も普段の生活は極力カード払いもしくはスマホでの電子決済を心掛けているので、持ち歩く財布もどんどんと小型化を進めています。
前回の記事、「時代が変われば財布も変わる。Prairie GINZA(プレリーギンザ)の名刺入れを財布にするという新提案。」で紹介しましたが今では名刺入れと小銭入れを財布として使っているという状況。使い始めてから3ヶ月が経過したので、名刺入れと小銭入れの質感の変化と僕の生活の変化について経過レポートをお届けしたいと思います。
2つの「財布」の経年変化
僕が今使っている「財布」はPrairie GINZA(プレリーギンザ)という日本の革小物ブランドから発売されている「名刺入れ」と「小銭入れ」の2つ。老舗のメーカーが作る国産の職人手作りのアイテムというだけあってどちらも使うほどに手に馴染む、愛着の湧く小物たち。
“Victoria”の名刺入れ:3ヶ月後の経年変化
こちらが僕の今のメインの財布。“Victoria(ヴィクトリア)”というシリーズのカードケースを名刺入れ兼財布として愛用しています。中にはクレジットカード2枚と運転免許証、保険証、銀行のキャッシュカードを入れて毎日胸ポケットや鞄の中に入れ持ち歩いています。
まだ使い始めて3ヶ月という短い期間ですが、毎日手で触るものなので既に経年変化の跡がはっきりと見え始めています。革がカードの形に沿うように伸び初めの頃のギチギチと締め付ける感じはなくなり、するりとカードを取り出せるように。
内側に使われているのは「ベジタブルタンニンレザー」という素材。僕もこれまで数度この革を使った革モノを経験していますが、すぐに経年変化が現れ自分だけの色が出てくるので革モノにこれから挑戦してみたいという人にはオススメしたい素材です。
比較用にスライダーを用意してみました。左が3ヶ月前、右が現在の状態です。カードの跡がくっきりと現れオレンジがより深い色になってきていますね。このペースで進んでいけば1年後にはかなり良い色味が出ていそうで今から成長が楽しみです。
“Victoria”の楽しみ方は一つではありません。変化の度合いが大きい「タンニンレザー」に目が行きがちですが、もう一面に使われているカーフレザーの経年変化も大きな魅力の一つ。こちらは仔牛の革にも関わらず長く使っていてもシワや縮みがなくまるでコードバンのような潤沢な輝きを放つ革。
変化はタンニンレザーよりも遅い速度で進みますが、その分革として”仕上がった”時の美しさはその比ではありません。まだ3ヶ月ですが、毎日使っているからか僕の名刺入れも徐々に輝きを放ち始めました。じっくりと弱火で煮詰めるように、こちらも育てていきたいと思います。
“elephant”の小銭入れ:3ヶ月後の経年変化
続いてもう一つの相棒、“elephant”の小銭入れについても変化を見ていきます。
こちらは珍しい「象革」を使った小銭入れ。クロコダイルや羊、ダチョウ革などは珍しいと言ってもそれなりに見る機会がありますが、象革はそれ以上に貴重。僕もこの小銭入れを使い始めてから何度も人に「一回でいいからちょっと触らせて!」と手渡しています。
3ヶ月で何人の人に触られたか、もう数え切れなくて覚えるのをやめましたが、それだけ沢山の人に触られているからかこちらも短い期間で既にしっかりと経年変化の様子が現れています。
表面の質感に関してはもはや別物と言ってもいいほど。使い始めはザラザラとした粒立った感触でしたが、今では粒も潰れ滑らかでクタッとした肌に馴染む感触に変わってきました。
こちらも同じく比較画像。左が3ヶ月前で右側が現在の象革の様子です。力のかかりやすい縁から徐々に手の脂を吸い変色していっているのが分かります。
お疲れ様、とお手入れ
財布は毎日色々なところへ持ち運び、負荷がかかりやすいモノ。定期的にブラシをかけ植物性のトリートメントオイルを塗って手入れをし休ませてあげています。一日の疲れを落とすように丁寧に優しく汚れを拭き取っていきます。
これが今の僕の「財布」。名刺入れの中にカードを入れ、小銭入れの中に現金を入れて持ち運ぶというスタイルで3ヶ月ほど生活をしてきました。それぞれのアイテムの詳細については前回の記事でより詳しく説明しているので気になった方は是非読み込んでみて下さい。
前回の記事:Prairie GINZA(プレリーギンザ)の名刺入れを財布にするという新提案。
小さい財布は、足取りを軽くする
駅前のカフェ、近所のスーパー、深夜のコンビニ。財布を小型化してから僕の生活の中で「ちょっとしたおでかけ」をすることが増えるようになってきました。メインの財布”Victoria”にカードを入れて持ち歩いているので、これを胸ポケットにさえ忍ばせておけば大体の場所で買い物ができます。
基本的にいつも胸ポケットに”Victoria”を忍ばせているので急な挨拶にも瞬時に対応。商談の場にありがちな「ちょっと名刺入れ取ってきますね」という小さなロスタイムが短縮できます。また、名刺交換の際に「素敵な名刺入れですね」と褒められることも多く、そこから自然と「実はこれ名刺入れ兼財布として使っていまして…」という話に。人との出会いのきっかけとしても大いに役に立ってくれています。
支払いの半分はiPhoneで
カードもよく使いますが、やはり最近頻度が高くなってきたのはiPhoneを使った電子決済。タッチで支払いが即座に済み履歴も残るので決済手段としてこんなに便利なものはないなと使うたびに感心します。こちらも今まで使っていたiPhone7 PlusからiPhone Xに買い替え小型化。
今では支払いの半分以上はiPhoneで意識的に済ませるようにし、日本でもキャッシュレス化を少しでも早く進められるように孤軍奮闘しています。日本では上からの電子化は難しいと思うので、少しでも多くのユーザーが電子決済を使い下から電子化を推し進めるしかないでしょう。日本の決済の発展に微力でも貢献したいと思い、iPhoneでの決済ができる場面ではできる限りこれを使うようにしています。
小銭入れは”お守り”として
東京に住んでいれば日常の決済のおよそ8割はカードもしくはiPhoneで済んでしまいますが、やはりまだ一部のお店では現金払いのみ対応しているところが多く、現金を全く持ち歩かないというのは現実的ではありません。
近所の定食屋、夏祭りの屋台、スマホの電池が切れた時の交通費。普段の生活の中でも必ずイレギュラー的に現金が必要になる場面が発生するので、僕は小銭入れの中に現金を入れ持ち歩くようにしています。
持ち物として「お守り」に近い感覚です。いつも使うわけではないけれどあると安心。そういう意味でも最小限にコンパクトなサイズで現金を持ち歩けるこの小銭入れはとても気に入っています。「お守り」が大きくて重かったら嫌ですからね。
財布はきっと、アクセサリーになる。
まだ財布を変えて3ヶ月ですが、この期間だけでもかなりの速度で電子決済化が進んできたなという体感的な感覚があります。電子決済が普及する鍵を握っているのは間違いなく「iPhone」の存在。キャリアの制度上、多くのユーザーは2年周期でiPhoneを買い換えます。そして、今年はiPhoneに電子決済機能が追加されてようやく2年目。iPhoneユーザーの大多数が電子決済対応の端末を持つことになるので、海外のように日本でもようやく加速度的に電子決済化が進んでいくことでしょう。
そうなってくるといよいよ「財布」というものの立ち位置にも大きな変化がやってくるはずです。僕はきっと次の財布は僕の小銭入れのように「お守り」のような形に変化するのではないかと思います。メインは電子決済、財布や名刺入れはスマホが使えない時の「保険」として持ち運ぶ。そんな未来が近い将来きっとやってくる。ルイ・ヴィトンやエルメスなどのハイブランドが続々とスマホ関連の商品にライナップを増やしていることからもこの流れは明らかです。
将来的にあってもなくても、どちらでもよくなるかもしれない「財布」。だからこそ僕はできるだけ愛着の湧く良いモノを持ち歩きたいと思います。長く使えば自分だけの味が出る、持ち歩いていること自体が格好いい、それでいて生活の荷物にならない。帽子や靴やメガネと同じような「アクセサリー」の一つとして財布はこれから変化していくでしょう。
そんな未来の財布の一つの形として今僕が選んでいるのが「名刺入れ」と「小銭入れ」という選択肢。機能だけでなく、素材や質感、使っている理由まで事細かに愛着を持って人に紹介できるアイテムからこそ、常に持ち歩きたいなと思わせてくれるのです。
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