夢の宇宙素材「GaN」を応用した超小型USB-C充電器「Anker PowerPort Atom PD 1」
「小ささ」は進歩の証。
電話、という一つの発明を取っても電話ボックスから始まり、トランクサイズの携帯電話が生まれ、それがポケットに入るようになり、今では様々な用途を複合するスマホの機能の一部として取り込まれるほど小さく軽く身近な存在になりました。
同じように今、「充電」という発明に対しても新たな進歩が訪れたのかもしれないと思わせてくれる期待の新製品がAnkerから発売です。
Anker PowerPort Atom PD 1
昨年末の製品発表会で、大きな話題になった「Macbookも充電できる極小の充電器」ことAnker PowerPort Atom PD 1がついに一般発売されることになり、僕の元にも一つAnkerさんからご提供をいただきました。
Macbookの充電器というと昔から大きく重いイメージがありましたが、今やここまで小さく軽くなったんですね。。感慨深い。
1台で30Wの充電が可能
この「Anker PowerPort Atom PD 1」はUSB-CのPD(パワーデリバリー)という規格に対応し、極小サイズながら1台で30Wの充電が可能。
Macbook(12インチ)に同梱されている充電器と同じ充電効率をこの大きさで実現するというのが恐ろしいですね。
Ankerから発売されている同じ30W対応のUSB-C充電器と比較してもこんな感じ。
iPhoneの充電器と比較してもあまり変わらない大きさ。これでMacbookが充電できるなんてすごい時代になったものです。
次世代パワー半導体「GaN」を導入
なんでこんなに急に充電器を小さくできたかというと、そこには「GaN」という新素材の登場が関係しています。
「GaN」は窒化ガリウムという意味で、エネルギー効率の高さと電圧に対する耐性から今世界から注目が集まっている素材。元々は宇宙工学の分野で採用されていた素材だったのですが、それを若手開発者が消費者用に取り入れ商品化されるに至りました。
従来こういった電子部品にはシリコンが使われていたのですが、「GaN」はシリコンよりも圧倒的に電力のロスがなく安全性も高いためここまでの小型化に成功したとのこと。
USB-CのPDは100Wまでの大容量に対応する規格のため、名も知らない中華系のメーカーだと少し不安ですが、信頼と実績のあるAnkerなら安心して使うことができますね。
これによってiPhone X以降であれば一般的な5W出力のACアダプターと比べて約2.5倍の効率で急速充電できるようになりました。
プラグが畳めないのは改善点
ここまで良いところを中心にお伝えしてきました、敢えて苦言を呈すとするならば「充電プラグが折りたためない」という点は次回ぜひ改善してほしいところ。
iPhoneの充電器も折り畳めないので、この小ささではしょうがないのかもしれませんがポーチに入れて持ち運ぶ上でこの点は是非改良してほしいなと思います。
新素材の未来に期待
今回の充電器は、物質を構成する元素の最小単位としての意味を持つ「Atom(原子)」というシリーズラインとなり、今後大きい電圧にも対応するモデルが登場予定。
この小さな充電器もそうですが、今回実用化された新素材「GaN(窒化ガリウム)」 を多彩な商品群を持つAnkerが手にしたという事実が非常に心躍りますね。
これからバッテリーやスピーカー、イヤホンなど様々な分野に応用され、誰も見たことのないガジェットが現れることをワクワクと期待しながら待っています。
今回動画でもレビューしてますので大きさを実感したい方はこちらもぜひ見てみて下さい!