α7でぬるぬるした動画を撮りたい!ミラーレス一眼にちょうど良いジンバル「Kylin M」
2019/04/09
人間としての「幹の太さ」ってあると思うんです。
音楽が作れて文章も書ける星野源さん、演技も歌も味のある菅田将暉さん、TwitterでもYoutubeでも変わらぬ面白さを持つレペゼン地球のDJ社長。
上の3人に共通して言えるのは「〇〇専門家」や「△△の人」という肩書やイメージの前にそれぞれの「名前」が出てくるというところ。
こういう人達の話を聞くと皆、並みならぬ量と質の音楽や文章や体験に触れていて、それが元になり人間としての「幹」ができているということが分かります。
「幹」が太く育てば、立派な枝葉が育つ。
その育った枝葉が「音楽」や「演技」といった目に見えるアウトプットとして現れているのです。
写真家として成功されている保井さん(@_tuck4)が、動画を撮り始めればすぐに上達して同じ世界感を持たせられるように、幹が太ければ別の枝葉も伸びやすく、すぐに花が咲きやすいのでしょう。
同様に写真が上手な人は、文章も上手い人が多いように感じます。全てのコンテンツは人から生まれるのだから、大事なのは人としての根幹、芯。
一眼用ジンバル「Kylin M」レビュー
そんなこんなで僕もまだまだ育っている実感は薄いですが、文章や写真以外の枝葉を伸ばしてみて、今どれくらい「幹」が太くなっているのかを試してみたくなりました。
チャレンジの一つとしての動画制作に歩みを進めてみようと考えていたところ、Makuake(マクアケ)でクラウドファンディングを行っていた「三軸ジンバルKylin(麒麟)M」という一眼用の動画を滑らかに撮れるガジェットをファウンダーからご提供いただけることに。
以前スマートフォン用のジンバルをレビューしましたが、ジンバルがあるとないとだと動画の質が大きく変わってくるので、動画にきちんと向き合うとなると避けては通れないアイテムの一つです。
参考リンク:思い出を美しく、滑らかに。スマホ動画用3軸ジンバル「Smooth Q」
早速これを使って動画を撮りに行ってみましたので、この記事でレビューしておこうと思います。
持ち運び用のソフトケース付属
パッケージを開封すると中には黒い箱が。
こちらは「Kylin M」を収納するためのソフトケースです。
オレンジ色の線に沿ってジッパーを左右へ開いていきます。
柔らかいクッション素材の上に収納のための窪みが作られていて、持ち運びの際にジンバルが固定されるような作りに。
精密な機械なのでこうやってサポート用のアイテムがあると非常にありがたいですね。
また、自分の一眼用に合わせた各パーツの調整をそのままの状態でしまえるよう余裕が大きめに作れているのも良く考えられています。
使うと分かりますが、毎回取り出す度に調整するのはかなり面倒なんですよ。
カメラに合わせてセッティング
ケースから取り出したら一眼をジンバルに取り付ける作業に移ります。この時に大事なのがカメラに合わせてきちんと調整を行うということ。
電源を入れる前にカメラをジンバルに設置し、各パーツのネジを緩め、左右や上下前後の傾きが無いように調整し、ネジを締めていきます。
「Kylin M」の場合は上で説明したとおり一度調整したままでケースに入れて運べるのでカメラを変えなければ同じまま使い続けられるのが良いところ。
電源を入れる前はこれくらい多少傾いているくらいであればもう大丈夫。
付属のカメラとコードを繋げばカメラのセッティングは終了です。
3200mAhのバッテリーが2つ
セッティングの他に用意しておくのは充電式電池。
一つ3200mAhという大容量の充電池を二つ使うので最大で12時間の連続使用が可能とのこと。1泊2日くらいの旅行であれば十分でしょう。
ハンドルの下部からスコン、スコンと電池を挿入。懐かしのGEAR戦士電童を思い出します。
キュッと蓋を締めたら準備完了です。
親指だけの簡単操作
「Kylin M」の操作周りは全て親指一本で操作が可能なように作られています。
上の画像は正面からハンドル部分を見た図。
一番大きなボタンが向きを操作するスティックになっていて親指でずらすと上下左右任意の方向にカメラを向けることができます。
左のボタンはカメラのシャッターボタンで、半押しでフォーカス、全押しで写真撮影が可能。
右のボタンは動画の撮影開始/停止のボタン。
撮影に必要なほぼすべての機能が親指一本で済んでしまうのはとても便利です。
左側にはズームイン/アウトのボタン。
電動ズーム式のレンズを使っていればここで画角を調整することができます。
右側には電源ボタン。
下に長押しで電源が付き、上に押すと電源がオフになります。
想像以上にサクサク電源のオンオフができるのでさっと使いたい時にすぐ対応できるのがいいですね。
電源を入れると正面にあるランプが点灯します。
電源を入れた状態でさらに電源ボタンを下に押すとモードが切り替わり、ランプの色も変わります。
モードには上下左右をコントローラーで動かせるものと、左右のみ固定のもの、眼の前にある被写体を追いかけるものの3タイプを用意。
電源を入れると「クンッ」とカメラが機敏に動き、正面を向いて固定されます。
ジンバルがクッションとなり上下左右のどの方向に動かしてもカメラ自体はほぼ動かず、手ブレのない滑らかな画像が撮れるようになります。
このジンバルを持って海までドライブに行ってみましたので、どれくらい効果があるか見てみて下さい。
階段を降りている時でも揺れなく滑らかなにすぃーと画が進むのは気持ちいいですね。
ぐるんと回してトランスフォーム
「Kylin M」は撮影時のポジションが2つあり、シーンに合わせて切り替えることができます。
手元のネジをくるくると回し、ぐるんと半回転させると、
このように上から手持ちできるような態勢に。
個人的にはこのポジションの方が移動している時に持ちやすく、ローアングルから迫力がある画が撮れるので気に入っていますね。
三脚とアプリと
地味に嬉しいのが、底部にネジ穴が空いていて三脚の雲台を接続できるというところ。三脚があると「Kylin M」専用のアプリを使ってさらに面白い使い方ができるようになります。
こちらが専用アプリ「Snoppa」の画面の一つ。
上の機能は写真を繋げてタイプラプス動画を作成するためのもので、撮影間隔と、撮影枚数、カメラを向ける方向などを細かく視覚的に設定することができました。これ使いこなせたらめちゃめちゃ良い動画作れそう。
上はパノラマ写真を撮影する際に使う機能。
横に何枚分、縦に何枚分と設定するとその枚数分、ジンバルがカメラの方向を変え複数の写真を撮ってくれます。
一点から正確にカメラの方向を変えられる電動ジンバルならでは業ですね。
またスマホをリモコン代わりに遠隔操作することもできます。
Bluetooth接続で遅延もなく、サクサクと動きます。
ミラーレスをちょうど安定させられるパワーバランス
ここまでざっと「Kylin M」の概要を説明してきましたが、その魅力はなんと言ってもそのパワーとサイズのバランス。980gという軽量ジンバルにも関わらず1.3kgまでのカメラを搭載し、安定させることができます。
djiのRonin-SやFEIYUTECHのa2000のように一眼用のジンバルは他社も出していますが、耐荷重が2~3kgと大きい代わりにジンバル本体の重量も重くなってしまうんですよね。
僕の場合約560gのα7 RⅢに550gのズームレンズを装着するというのが最重の構成なので、一番重くて合計約1.1kg。
これをちょうどカバーできて軽量なのが「Kylin M」。
近年増えてきた小型フルサイズミラーレスのお供としては絶妙なバランス感です。時代の流れに乗った目の付け所の良いプロダクトだと感じます。
「Kylin M」はMakuakeで先行販売をしていましたが、プロジェクトは既に終了。今後はAmazonでの一般販売を始めるとのこと、予定価格は58,000円と、9万円台が相場の一眼用ジンバルとしてはかなりお求めやすい値段設定です。
Amazonでの販売が始まったらまた追記して、皆さんにもお伝えしますね。
【1台2役】本格的な動画撮影の世界へ!革新的な2WAY三軸ジンバルKylin-M | クラウドファンディング – Makuake(マクアケ)
<追記>
こちらAmazonで発売が開始となりました!下記ページからダウンロード可能です。
それでは最後に動画で訪れた江川海岸の写真を載せてお別れとしましょう。
関連:2017年の写真28枚
動画という枝葉にも少しずつ手を伸ばしていけば、その枝葉から栄養が流れ、幹が育ち、また写真の枝葉も長く伸びていく。
そういう成長の仕方をしたいと思います。