【中目黒】秘密の鍵の隠し場所。小説に出てきそうな隠れ家ブックカフェ「Under the mat」

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    2018/10/09

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このカフェ、何かの小説で読んだような気がする。

世代ということもあり、僕は伊坂幸太郎の著書が好きで一応一通りは作品を読むようにしています。滑らかで心地の良い語り口、しっかりと張られた伏線、そして何より魅力的で個性的なキャラクター達。

フィクションではありつつも、実際の現実にもこんな人いそう、という絶妙なバランスを保持しつつ描かれる彼らが好きでついつい毎回新刊を手に取ってしまいます。

リアリティはありつつも、実際はそんな人いないだろうと思っていたのですが、先日「これそのまんま小説にできるな」と思うような人達が集まるカフェを、中目黒で偶然見つけてしまいました。

山手通り沿い、ビルの2階

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先日SUSONOというコミュニティのローンチイベントに参加した際、念願の松浦弥太郎さんとついにお話をすることでき、ほくほくとテンションの上がった帰り道。

自転車を山手通りの上に走らせていると、雑居ビルの2階に覗く暖かい光が目の中に飛び込んできました。雑貨屋さんか服屋さんかなと思っていたのですが、ビルの下には「Cafe」の文字が。

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自転車に乗りながら横目に看板を眺め、一度は通り過ぎたのですがまだ時間があったのと、何となく気になるものがあり、自転車をUターンさせ中に入ってみることにしました。

お店の名前は「Under the mat」

漏れ出るギターの音色

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階段を上り、ドアを開けようとすると中から、ぽろんぽろん、と爪弾くようなギターの音色が。部屋の隅の一角に金髪で透き通った肌の美しい女性がギターを抱え、チューニングをしている途中でした。

「(入っても)いいですか?」

と確認すると奥から帽子を被った彫りの深い長身のマスターが出てきて、

「もちろん」

と笑顔で迎えてくれました。

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古いギターだからなのか、チューニングが合わず金髪の美女が苦労していると、別の席のベストを羽織ったおじちゃんがやってきて「ちょっと貸してみな」と慣れた手つきでチューニング。

マスターが「斎藤さん(仮)、ギター弾けましたっけ?」と聞くと「俺らの世代は皆ギターの一本や二本は弾けたもんよ。ギターが上手いやつほど女の扱いも上手かったもんだ。」と。

弦を中指で弾きながらニカッと笑った斎藤さんには前歯が3本しか残っていませんでした。

チューニングされたギターを渡されると、「緊張するな…」と言いながら美しい声でどこか外国の歌を歌い始める金髪の美女。マスターが気を利かせて店内のBGMを落とし、カフェの中がいつの間にかコンサート会場へ。

会話が聞こえてくるので、背景がわかったのですが彼女は今日本に留学中のフィンランド人。お父さんから教えてもらったギターが趣味の一つらしいのですが、今下宿中の家にはギターがないのでたまにこのカフェに来てギターを借りて練習しているようです。

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「来月お父さんが日本に来て、ちょっと観光したらフィンランドに帰るんだ」と話す金髪の美女。

「それならお別れコンサートやりましょうよ」とまた別の席の20代後半くらいのシュッとした男性が小粋な提案を挟んできました。

「知り合いに良いカホン奏者がいるんで、今声かけてみますね。カホンなら場所取らないし、リハーサルなくても合わせやすいし」と電話をしてアサイン完了。あっという間にライブの開催が決定してしまいました。

「いいね、それならオレが自慢の日本料理、ここで振る舞っちゃうよ?」と急に意気込む斎藤さん。妙に職人気質のある人だなぁと思っていたら、板前さんみたいです。

「それまでにピアノの調律済ませとくね」と優しく微笑むマスター。

ちょっとしたショートショートの小説を読んでいるような、流れるような味のある会話に思わず耳がそちらを向いてしまいます。

いつもならカフェではイヤホンをはめて、自分の世界に入るのですがどうしても気になって、イヤホンを耳にかけつつも音楽は再生せず、聞き耳を立てていました。

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ちょっと小腹も空いていたのでドーナツとカフェラテを頼んで、ゆったりとしたギターの音色と会話を笑みを浮かべながら楽しんでいました。

見ていると、他に入ってくるお客さんも個性的で、頭の5倍くらいあるアフロの女性と、トレンチコートに眼鏡でビシっとしたスーツに革のアタッシュケースを抱えた男性、真っ赤なマフラーを巻いた脚本家らしき女性、とキャラクター色の強い人ばかり。

でもそれぞれがマスターと「やぁ」と一言常連のように会話をして、それから席に座っていきます。

それぞれの登場人物だけで一本話が書けそうな、個性的な人達が集まるちょっと不思議でアットホームなカフェ。

ちなみに「Under the mat」というお店の名前は”秘密の鍵の隠し場所”という意味なんだとか。秘密の鍵を持った、親しい人だけが入れる秘密基地のような場所。

あまりにフィクションのような世界で、こうして記事を書きつつも「本当にこのカフェあったのかな、僕の妄想じゃないのかな」とちょっと不安になってすらいます。

Under the mat

関連:住宅街にぽつんと佇むカフェ「Alaska zwei」

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リンク:中目黒と池尻大橋のあいだ。住宅街にぽつんと佇むカフェ「Alaska zwei(アラスカ・ツヴァイ)」

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