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通信制限を利用したデジタル・デトックス

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    2017/08/23


通信制限にかかってしまった。

スマホはiPhoneのフリーテルを挿した運用なので月10GBまで使えるため、そうそう通信制限がかかることは普段ないのだが今回制限にかかってしまった理由は単純明快。今引っ越しをしているからだ。

これまでは自宅に最高の環境とも言えるNUROが引いてあったのでいつでも快適にネットへアクセスすることができた。この家の無線LANのおかげで自宅ではスマホの回線を使う必要が無く月々の通信量が抑えられていた。

しかし今、引っ越しのタイミングなので、それがない。

家にWiFiが無くなると、今まで行っていたPC作業も、家でのだらだらしたスマホタイムも全てをスマホの回線を使って行わなくてはならない。そうなれば月10GBなんていう貯水量のダムはあっという間に決壊してしまうことは自明の理。ものの1日足らずで僕の生活から電波が消えた。

幸運だったのは、今日は休日だったということ。ネットを必ずしも使う必要のない日なので朝起きた時点では自分が思っていたよりもネットを使えないことに対する不安はなかった。

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とりあえず引っ越しの途中の我が家を片付けようと思いベッドからむくりと起床。ケトルにお湯を入れ、お湯が沸くのをゆっくり待つ。今までならスマホを取り出してマンガワンの「土曜日更新のイチオシ漫画」を読むかパズドラのスタミナ消費に勤しむところだが、通信にやたら時間がかかるためやる気にならずスマホはベッドの上のまま。お湯が沸くまでの隙間の時間に部屋を片付けようと思って細々したものから手を付け始めたら、いつのまにか没頭してしまいもう一度お湯を沸かす羽目になった。お湯が二度目の沸点に達する頃、ケトルのスイッチが落ちる音と共に部屋の片付けが終わっていた。集中すればこんなにも早く終わるものだったのか。

その後コーヒーを淹れながら、今日はどう一日を過ごそうかと考える。ここでふと、「あ、久々に今自分、考えてるわ」ということを思う。普段はコーヒーを飲んでいるときもご飯を食べているときもスマホを片手に何かを見ているので常に思考と視線を画面に盗られていた。スマホの中には面白いものが沢山あるだけにハマりすぎないように注意が必要だと今更思い直す。

今日はやりたいDIYがあったのでそれの構成や必要な作業、組み立て方をざっと紙に書き出してみた。今回のDIYはほとんどやりたいことも決まっていたし準備も揃っていたのでするするとイメージが固まった。ネットに頼らずとも考えればある程度のことはできる。

そしていざ作業に取り掛かるぞというところで今日初めてスマホに触れた。楽しく作業ができるように音楽をかけるためだ。iPhoneって「スマートフォン」と呼ばれているように今だに「高機能な電話」というイメージが強いけれど、ネットに繋がらなくてもできることはたくさんあるんだね。

音楽を聴きながらコツコツ黙々と、楽しくDIYを進める。数時間作業をしお腹が空いてきたので今自宅にある唯一の食料である「カップヌードルシーフード味」にお湯を注ぐ。世にカップ麺は数あれど気がつけばいつもこれを手に取りカゴに入れている。今世間ではカールが販売停止で話題になっているらしいけれど、仮に「カップヌードルシーフード味」が無くなる日が来るとしたら僕は最後のファンで有り続けたいと、そんなことをぼーっと思う。ネットに繋げないから。

その後も作業に集中し、思っていたよりも短時間で作業が完了。部屋の窓から差し込む夕暮れの日差しを見ながら「あぁ今日は活動したな」と浸る。完全にホワイトカラーな働き方をしている僕からするとこの充実感はとても貴重。身体を動かすと仕事や作業の内容に関わらずなんとなくやった感があるから不思議だ。

少し時間が空いて暇になったので本を手に取った。今読んでいるのは友人から勧められてとても気に入っている今夜もカネで解決だというエッセイ。1話1〜2ページの短編が数多く綴じられている本なのだが、これがどれも軽快なテンポで読み進められてしまうのでついついページをめくってしまう。いつもは数ページ読んでスマホの通知を見て、また数ページ読んで、という繰り返しをしていたのだが今日はスマホにほぼ触っていないので読書が捗る。いつもよりも数倍の速さと集中で一気に読み進めることができた。

夜になりお腹も減ったのでDIYの備品を片付け、部屋の鍵を閉め、歩いて祐天寺駅へ。いつもなら音楽を聴きながらついつい歩きスマホをしてしまうのだが、ページの更新を待っている間に駅まで着いてしまうレベルなのでスマホはポケットに入れたまま。そうなると自然と視線が上を向き、「こんなお店もあったんだなぁ」と左右に目を配るようになる。今までに行ったことのない路地にも入ってみたくなる。いつもの街がいつもと違う。

更新したい記事があったのでそれだけでもどこかのカフェに入って上げようと思いWi-Fiを使えるカフェを探すもいつもの行きつけはすでに閉店。他にWi-Fiカフェのあてを探すにもネットが使えないので、足を使ってぶらぶらと軒先の看板を見ながら一軒一軒地道に探す。

すると「Free WiFi」と書かれた半地下のカフェ&バーを一軒見つけることができた。「1名です」と店員さんに伝えると「今日はライブの日なんでちょっとうるさいんですけどいいですか?」という返答が。いつもの僕だったら集中して記事を書きたいのですみませんと断り店を後にするのだが、この日はどういうわけかちょっとだけ人と話したくて、人の雰囲気に触れたくてそのまま入店してしまった。スマホを使わないことによって触れる情報の量が少なかったので、人と話をしたくなったのかもしれない。「人が一日に許容できる情報の量には限界がある」とよく言われるがその情報というのはオフラインとオンライン隔てのないものなのだと思う。普段僕はオンラインの情報でお腹を一杯にしてしまいオフラインの情報をないがしろにしていた。

おそらくこの辺りの住宅街に住んでいるであろう小粋なおじさんの弾き語りを聴きながら、なんとなくこの感覚、どこかで感じたことがあると思い出す。そう、海外旅行の感じに似てる。

今はSIMやらポータブルWi-Fiが普及しているが少し前まで海外旅行=ネットが使えない環境だった。ネットが使えないからこそ事前に下調べをし知識を蓄え、集中してその街を感じることができる。そして唯一ネットに繋がれる環境はWi-Fiがあるカフェ。こうして今ブログを書いている僕の環境とほぼ同じだ。カフェのWi-Fiに繋がれる時間は限られているのでその中で、最低限のことだけを素早く行う。そしてカフェを出たら街を楽しむ。わざわざ海外に行かなくても生活を変えるだけで近い体験ができるとは思わなかった。

仕事柄、この状態が毎日続くのは厳しいが、月に1,2回はこのようないわゆる「デジタル・デトックス」の日を設けてもいいなと今思っている。ネットはとても好きだけれども浸り過ぎも良くないので。通信制限には正直困っているがこうやって普段の生活を思い直すきっかけになってくれたことはありがたいと思う。もう少ししたら家にまたNUROがやってくるのでそれまでこの曲を聴きながら最低限度の通信量で慎ましく生きたい。




Pite(@infoNumber333)はこう思うよ。
さて、今月は残り3日もありますが果たして。
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