「Tokyo Fashion technology Lab」イベントレポート第2回!ファッションの”未来”と”過去”をテクノロジーで語り合う[PR]
2017/12/18
”未来”は”過去”から出来ている。
本日も“monograph”をお読みいただきありがとうございます。
PITE.(@infoNumber333)です。
今回は、先月「Tokyo Fashion technology Lab」に体験入学!ファッションの未来がここにある。」という記事でお伝えした、原宿に4月から開校する新感覚のファッションスクール「Tokyo Fashion technology Lab(東京ファッションテクノロジーラボ)」のイベント体験レポートの第2弾となります。前回は体験入学の模様をお届けしましたが、今回は校舎も完成したということで新校舎でのイベントレポートをお届けしたいと思います。
今回僕が体験をしてきたイベントは下記の2つ。
- 世界における「ファッションとテクノロジー」の現在・未来
- カリスマバイヤー「hito」が仕掛けるビンテージ・バイイング
どちらもファッションに興味のある人はもちろん、そうでない方でも楽しめるとても興味深い内容になっていました。そしてこの一日で僕はファッションの「過去」から「現在」そして「未来」までの流れを幾度となく体験することになるのでした。
「Tokyo Fashion technology Lab」校舎完成!
気候も過ごしやすくなってきた春先、原宿の中心地にて「Tokyo Fashion technology Lab」(以下「TFL」)の新校舎が開校いたしました。場所は原宿駅から竹下通りを抜け左に流れた大通りの先にあるこちらの建物の中。
大通りから一本路地を入った先に階段があるのでそれを登って2Fへ。こちらの特徴的なペイントアートが目印です。
通路を進んだ先にあるガラス張りのショールームのようなスペース、こちらが「TFL」の校舎になります。いわゆる「学校」のような閉鎖的なイメージとはかけ離れた校舎ですね。中で何をやっているのかが外からでも、誰でもわかる、オープンな学びの空間がそこにありました。
校舎に入って正面には「TFL」のイメージポスターが大きく飾られています。
コンクリート打ちっぱなしの壁のいたるところにこのようなポスターが散見されます。
校舎の奥の方には「カフェスペースかな?」と一瞬間違えてしまいそうなお洒落な作業スペースが。コースによってはカリキュラムの一環でこちらのスペースで布の裁断・縫製なども行っていくそうです。これだけ雰囲気の良い空間なら学校帰り、会社帰りにお茶をするような感覚で来れそうですね。
スペースの一角には真新しいトルソーが。ここを見るとようやくファッションの学校なんだなということを再認識しますね。
世界における「ファッションとテクノロジー」の現在・未来
参加者の方々も集まり始め、イベントの第一部「世界における『ファッションとテクノロジー』の現在・未来」が始まりました。
このイベントはTFL代表市川さんオーガナイズの元、ファッション業界において輝かしいキャリアを持つ方々4名によるトークセッション。
aecc 斎藤 統さん
まずはaecc代表にしてTFL理事長の斎藤 統さん。
今から30年以上も前、1980年にあのヨウジヤマモトのフランス支社を設立し、ヨーロッパ・アメリカへの進出を達成。その後イッセイミヤケのヨーロッパ進出を成功に導き、フランスから芸術文化勲章まで授与をされているという素晴らしい経歴を持たれている方です。
自身の経験を織り交ぜながら、どのようにしてブランドの海外進出を行っていったのか、海外からの日本のファッションへの偏見をいかにして打ち破ったのかを熱い想いと共に語っていらっしゃいました。間違いなく今現在ある日本のファッション業界の”過去”であり礎を築いてきた方でしょう。
印象的だったのはここまで輝かしい経歴を持っているのにも関わらず終始笑顔で朗らかにお話をされていたその人柄。ファッションの才覚だけではなく人からも好かれる素養を兼ね備えた素晴らしい方だと感じました。
FUGAHUM 山本 亜須香さん
斎藤さんと同じくヨウジヤマモトにてデザイナーとして大成し、後に独立してFUGAHUM (フガハム)というファッションブランドを立ち上げた山本 亜須香さん。
18歳の頃に出会った一本のファッションドキュメンタリー映画に感銘を受け、ファッション業界を志した際の経験を実感を持って語っていただきました。特に印象的だったのが、採用面接試験の際に他の受験生が皆そのブランドの服で固めて面接を受ける中、山本さんは自身で作ったスーツで面接に望んだという話。周りの目や風向きを気にするのではなく普遍的な信念を持つことが何よりも大事だということを体験を元に参加者へ暖かく語られていました。
チームラボ 工藤岳さん / 東陵史さん
こちらは今名前を知らない人はいないであろうウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」に所属している工藤岳さんと東陵史さん。
最先端のテクノロジーを使ったチームラボのアート作品の事例、そしてファッションとのシナジーの可能性を語っていただきました。この後ご紹介する事例の内容も面白かったのですが、それ以上に興味をひかれてやまなかったのがチームラボ初期メンバーである工藤さんのお話。今でさえ400名規模のテクノロジストが集まる有名な会社ですが、工藤さんはメンバーが5人しかいない時代からのメンバーなのだそうです。
チームラボの経営が傾き「来月会社が破産する」というタイミングでサラリーマン金太郎を読んで中東に渡り、国の王子に謁見して王子が経営しているバイクレース場のデザインを請け負った、という話はまるで漫画か小説を読んでいるような楽しさでした。笑 結局そこから案件までは繋がらなかったらしいのですがどうにか急場をしのぎ、今こうしたチームラボの大成功に繋がっていると思うと何だか感動しますね。
そこからはチームラボで手がけている様々なインタラクティブアートのご説明をスライドと共にお話いただきました。上の画像は人のいる場所に光る”鯉”が漂い集まってくるというアート。
一定時間経つとその軌跡が線となり、アートとなるという作品。
他にも流れる滝の上を人が歩くと水が遮られ花が咲くというアートや、
人の足元に花が咲くというアートなど、「人」が介在することによって生まれる、”瞬間”の作品を数多く手がけています。
ちなみに上の写真は工藤さんが疲れ果てて地面で寝てしまった時に咲いた花だそうです。咲き乱れている。
他にもファッションとテクノロジーを融合させた事例もご紹介されていました。上は「teamLab Hanger」という作品で、手に取った服のコーディネートやコンセプト、動画が周りのディスプレイに映し出されるという作品。服を買う時にその服にどんな服を合わせれば良いのかがその場で視覚的にわかるというのは便利ですね。
こちらはショッピングモールに設置したDigital Information Wallというフロアガイド。漂う商品の中から気になるものがあればそれをタップ、すると商品が置いてある場所や似た系統の服などの情報をわかりやすく並べて表示してくれます。
各分野のトップランナーの方々のお話というだけあって参加者の方々の話を聞く姿勢も真剣そのもの。
「将来ファッションで生きていくにはどうしたらいいですか?」という真っ直ぐで眩しい質問をされる若い参加者の方も。
ファッションの礎としての「過去」を作ってきた方々、そして「現在」最先端ののテクノロジーを扱うチームラボ、そして「未来」に夢を膨らませる若者たち。一つの空間にそれぞれの時代の代表者が集まる、そんな素敵な時間でした。
カリスマバイヤー「hito」が仕掛けるビンテージ・バイイング
続いて時間を開けて第2部が始まったのですが参加者の様子が第1部とはかなり違います。女性がほぼ9割と言った感じでしょうか。
それもそのはず、今回の講師はinstgramで13万人ものフォロワーを持つ超人気カリスマバイヤーhitoさんなのです。ビンテージショップ“Grimoire”にてバイヤーを務めるhitoさんは若くして世界中を飛び回りながら各地でビンテージアイテムを買い付けてくるというお仕事をされている方。Instagramでは自身のファッションコーディネートと共に世界中のお洒落な場所やモノの写真を公開されています。何よりご本人が綺麗な方なので人気が出るのも必然だろうという印象でした。
こちらのイベントではビンテージバイヤーとして活躍する「hito」さんがどのようにしてお仕事をされているのか、旅行にはどんな持ち物を持っているのか等をトーク形式でお話をされていました。ちなみにこの日「hito」さんが着ていた服もビンテージアイテムとのこと。パっと見ただけでも新品で売っている服とは異なる味・雰囲気がありますね。
イベントの途中にはクイズ形式で参加者の方にも質問が。上の3枚の洋服が何年代に作られたものなのか「hito」さんは見ただけで分かるそうです。ファッション好きであろう会場の参加者の表も割れていて、目利きがいかに高度なものなのか思い知らされました。
その後もビンテージアイテムをセレクトする上での重要な考え方・テクニックをわかりやすく解説していらっしゃいました。「ビンテージアイテム」という古く歴史がある「過去」のものを今を生きる若きカリスマバイヤーがネットを使って世界中に拡散する。ここでもまたファッションにおける「時の流れ」を感じさせられました。
ちなみに今回の講義の内容や具体的なビンテージについての知識は「hito」さんが出されているコチラの本、GIRLY VINTAGE Fashion Bookの中に収録されているとのことなので気になる方は是非。
最後にポスターの前で一枚。このTFLから未来の「hito」さんのような方々がまた生まれてくるのかもしれませんね。
繋がる”壁”
そんなTFLにおける「過去」と「未来」を象徴しているなと感じたのが、校舎の一角にあるこちらの白い壁。
ここにイベントに登壇した著名な方々が登壇終わりに次々とサインを残していくのです。ファッションの歴史そのものが刻まれていくような特別な壁。きっとこのTFLの壁がサインで埋まった時、ファッションの未来は少しだけ明るく、先進的になっているのだと思います。
TFL設立記念パーティ
この日はイベント終了後にTFLの設立記念パーティがあるということだったのでこちらもお邪魔させていただきました。
会場は同じ建物の中にある「Hammingbird’s hill」というレストランバー。
始まりの挨拶をするTFL代表の市川さん。「やっとこの日を迎えることができました」と満面の笑顔でお話をされていました。
そしてその挨拶を微笑ましい目で見つめる関係者の方々。それぞれが各領域のエキスパートであり確かな実績を持つ方々ばかり。こういった方々に支えられいるのであれば今後のTFLの成功も間違いないでしょう。
パーティのあちらこちらで交流が生まれ、面白そうなお話が飛び交っていました。世代を超え年代を超え同じ「ファッション」という共通言語を持ってコミュニケーションをする参加者達。
これを機会にここからまた新たな仕事、ファッションが生まれていく予感がありました。
僕もせっかくなので美味しい食事をいただいてきました。笑 ごちそうさまでした。
またTFL校舎でアフターパーティも開催。夏祭りのようなノスタルジックな雰囲気の中で交流を楽しんでいました。
DJとミラーボールまで登場。
会場の一角には第一回のレポートでもお伝えしたファッションVRを設置。皆さん子供のように声をあげて体験されていました。
TFLで学べるのは「未来」だけではない。
第一回ではVR体験、デジタルイラスト体験等、TFLのことを「未来」にフォーカスしたファッションスクールだとご紹介をしましたが、今回のイベントに参加しまた一つ印象が変わりました。
この記事で語ってきたように「過去」を踏まえ、その流れを汲みながら「現在」へと繋げていく。その上で学ぶ内容を再構築し「未来」のテクノロジーと共にファッション業界を変えていく。
過去を支えて来た人、今を教える人、未来を作る人、それぞれの時代を担う立役者が集まるファッションスクール。それが「Tokyo Fashion technology Lab」なのでしょう。
TFLの第1期生募集はまだ申し込み受付中、体験イベントも開催中ですのでファッションを自分の「未来」にされたい方は是非一度ご覧になってみて下さい。
・Tokyo Fashion technology Lab (東京ファッションテクノロジーラボ) -第1期生最終募集のご案内
記事の評価で読者プレゼント!
記事の品質向上のためにこの記事の「記事評価」制度を取っています。下記のバナーよりアンケートにお答えいただき、記事のシェアをしてくれた方には毎月異なるプレゼントをdripよりお送りさせていただきます。皆さんの真摯な目でご評価をお待ちしております。