映画「君の名は。」感想・レビュー。音楽・映像・物語が全て”繋がる”新海誠の最高傑作。【ネタバレ無し】

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    2016/08/29

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一時間前に六本木のTOHOシネマズでこの作品を見て、今自宅でPCのキーボードを叩いているところですが、まだ動悸と手の震えが止まりません。これまで観てきた映画作品の中で最高の映画に出会ってしまったかもしれない。

本日も“monograph”をお読みいただきありがとうございます。
PITE.(@infoNumber333)です。

楽しみにしていた新海誠の最新作「君の名は。」を公開2日目に劇場で鑑賞してきました。

新海誠と言えば、その「映像美」と「思春期の切ない感情」を描くことに定評がある映画監督。2007年に公開された「秒速5センチメートル」からじわじわとファンを増やし、2013年の「言の葉の庭」で一躍話題となり今では一般にも広く知られる存在となりました。

新海さんの作品は一通り鑑賞してきていますが、新作を出す度に確実に腕を上げ、前作を超えるものを出してくるので今回も期待していた反面、「言の葉の庭」がかなり良かったのでこれを越える作品を生み出せるのかという一抹の不安もありました。

しかしそんな僕の勝手な不安は本作「君の名は。」を鑑賞し始めて5分後には綺麗さっぱり時の彼方へ。

映画が始まってからエンドロールを見送るまで鳥肌立ちっぱなしの素晴らしい映画でした。素晴らしい。

最近だと「シン・ゴジラ」も良かったですがそれとは全く別の軸でとにかく良く出来た映画です。

とにかく多くの人に本作「君の名は。」を観てもらいたいので僕も感想を記事として書いておこうと思うのですが、今回は極力ネタバレを避けつつご紹介いたします。できるだけ何もバイアスの無いまっさらな気持ちで観てほしいので。

映画「君の名は。」あらすじ

まずは簡単なあらすじから。

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千年ぶりに彗星の来訪を控えた日本。この彗星が本作の大きなテーマとなって物語が進んでいきます。

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本作には主人公が2人存在するのですが、その内の1人が都心に住む男子高校生「瀧くん」。彼が彗星を目にした日からある「不思議なできごと」が起こり始めます。

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そしてもう一人の主人公が田舎に住む女子高生「三葉」。彼女は由緒ある小さな神社の娘なのですが、田舎町の閉塞感に嫌気が指していて、東京への強い憧れを持っています。

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そんな彼女が「もうこんな田舎嫌だ!来世は東京のイケメン男子にしてください!」と神様にお願いしたら、

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イケメン男子に中身が入れ替わっちゃった。

というのが今回のお話。

彼ら二人はお互いの夢のなかで入れ替わり、東京と岐阜の山奥の異なる生活を通し、互いについて知っていきます。

極力ネタバレしたくないので大まかな説明で言うとこんな感じです。まだストーリーとも言えず、設定程度の情報ですが、ここからどうやって物語が展開していくのか想像しながら是非映画館まで足をお運び下さい。

新海誠がポップなラブコメ映画!?…

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映画が始まって衝撃だったのは、今回の作品のポップさ。設定はベッタベタのラブコメにありそうな入れ替わりものだし、冒頭からいきなり深夜枠のアニメみたいなOPが始まるし「何だこれは!?」と一瞬頭の中が真っ白になりました。

くすっと笑えるコメディ要素も沢山あってめちゃめちゃ楽しいんですが、今までの「ちょっと切ない」新海誠作品を期待していたので、けっこう衝撃を受けましたね。

逆に「こういうパターンのアニメも作れるようになったんだ」と感心させられたり。
でもこの過剰なまでのポップさが後半にじわじわと効いてくるんですよ。

物語は急展開。三段階の構成に。

ここからは物語の核心に迫ってしまうので慎重に。というか「急展開」とかそれだけでもネタバレだろって感じなんですがそこはすいませんご容赦下さい。予告編でもそんな感じなんで。

「君の名は。」は冒頭のパートだけでも充分ワクワクして楽しめる映画なのですが、物語中盤からの展開がすごい。

思わず「えっ…」と言葉が漏れちゃうような衝撃の展開がやってきます。そしてラストシーンはまるでアクション映画のような息もつかせぬ怒涛の盛り上がり。

さっすが新海誠だよと思わず唸らせられてしまう構成。思い返してみればそこかしこに伏線が散りばめられていてもう一度観たくなってしまう映画です。

ここに関しては語りたいこといっぱいあるので、僕が口を滑らせる前に早く劇場へ足をお運び下さい。

息を呑む映像美。

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これはもう期待通り!という感じなのですが、全編を通して画が恐ろしく綺麗

前作「言の葉の庭」では水面に落ちる雨の描写に唸らされましたが、今回の「君の名は。」で言うとやっぱりテーマにもなっている「彗星」美しさたるや。

映画館の画面いっぱいに広がる星空と流れる彗星は思わずため息が出てしまうほど。

他にも三ツ葉の巫女姿の儀式のシーンなんかも素晴らしかったですね。必ず映画館の大画面で贅沢に楽しんでほしい作品。

音楽がRADWIMPSってのがまた。

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映像はもう申し分ないのですがこの作品をさらに素晴らしいものにしているのが音楽を担当しているRADWIMPSの存在。

中学・高校・大学とRAD直撃世代だった僕にとってはもう堪りませんでした。オープニングに静まった館内で洋次郎の声が響いた瞬間に鳥肌ブワッッッッッ!

ファンタジーっぽい要素と恋愛の切なさを表現するなら確かにRADの右に出るものはいませんね。劇中に何度か曲が挟まるシーンがあるのですがその度に泣きそうになっていました。

前作「言の葉の庭」では秦基博を起用したり、新海誠は若者の好みを非常によくわかっていますね。RADWIMPSが好きな人は絶対に音響設備の整った大きめの映画館に行くことをオススメします。

新海誠が描く「距離」。

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新海誠はこれまでの作品のほとんどで男女の「距離」とそれに伴う切ない恋愛感情を描いてきました。

「秒速5センチメートル」では「遠距離恋愛」という物理的な距離を、「言の葉の庭」では「先生と生徒」という立場の距離と「歳の差」という年齢の距離を、といったようにです。

そしてもちろん今作でも新海誠はある”距離”をテーマに作品を創りあげています。一つは「東京」と「田舎」という文化的、物理的な距離なんですが実はもう一つ大きな大きな”距離”を作品の中で扱っていきます。

ここはかなり物語の重要なところに入っちゃうので是非映画館で。
見終わったら是非僕と語りましょう。

スマホって便利だよね。

やっぱり現代の話なので物語の中にも数多く「スマホ」が使われるシーンが出てきます。入れ替わった二人はコミュニケーションを取るためにメモやスマホを使ってやり取りをするのですが、ここもまた良く出来てる。

メモはメモでちゃんと重要な役割を果たすことになりますし、スマホは後々の伏線回収に大きく関わってきます。

何でLINEじゃなくて日記アプリでやり取りしていたのか、大事な時に電話が繋がらないのは何故なのか。よく考えながら注意深く作品を鑑賞して下さい。

ラストシーンは…まさかの!?

「君の名は。」は本当にエンドロールが流れるまで、直前までハラハラしてました。

というのも、新海誠はいっつも結末をモヤモヤさせるからです。「結局どうなんだよ!」と受け手に今後を想像させるようなラストが多く、どちらかと言うとバッドエンドの印象が強いので今作もそうなってしまうのではないかという思いがあったからです。もちろんそこが良いという意見もわかるのですが。

ラストに至るまでの流れはもう最高で、文句の付けようがないものだったので「これはもうハッピーエンドしかないっしょ!」という気持ちだったのですが、最後の最後まで焦らしに焦らされまくります。

本当にギリギリまでどうなるかわからない状態で引っ張って、あのラストですよ。もうね、ありがとうと言いたい。この時を数年間待ってました。

新海誠の集大成にして最高傑作。

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僕が「集大成」とか「最高傑作」なんて言えた立場ではないのですが、あくまで僕の中では「史上最高」の作品でした。新海誠作品の中でも、他の映像作品も含めてでも一番と言える映画に出会ってしまいました。

これまでの新海誠作品で積み上げてきたものを全て詰め込み、緻密に組み合わせ、そぎ落として作られた素晴らしい作品です。

物語・音楽・ビジュアル全てが申し分ありませんし、笑いあり、涙あり、恋愛あり、どんでん返しありの誰もが楽しめる作品に仕上がっています。

軽く語るつもりだったのですが思わず熱くなってしまいました。(現在深夜2時30分)

長くなりましたが、今すぐ劇場に行って見てきて下さい。結局は言いたいのはそれだけです。

AbemaTVで新海誠作品一挙放送するって

ちょうど良いタイミングでAbemaTVで新海誠の過去作品を一挙放送するという話があったのでご紹介。前作「言の葉の庭」を始め、代表作「秒速5センチメートル」と「星を追う子ども」を放送するようです。「星を追う子ども」は一回見ただけでうろ覚えなのでもう一回見なおそ。

新海誠監督の『君の名は。』が26日に公開されたのを記念し、AbemaTVでは新海監督の3作品を一挙放送する。3作品は『秒速5センチメートル』・『言の葉の庭』・『星を追う子ども』で、9月4日19時から。

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