漫画史に残る大傑作。「BLUE GIANT」を読んでない大人は今すぐ読んで泣いて下さい。
2018/03/17
ここ数年で一番の名作。
本日も“monograph”をお読みいただきありがとうございます。
PITE.(@infoNumber333)です。
最近数々の賞に選ばれて大注目のマンガ、「BLUE GIANT」をやっとのことので今年に入ってから読み始めました。最初は「ジャズのマンガ?どうせオサレ系で雰囲気だけのやつでしょ?オレはゴールデンカムイ読むわ。」という勝手な偏見から手を出すのを避けていたのですが、「BLUE GIANT」を読んだ周りの人全てが口を揃えて「あれは名作・傑作の類だ」と断言して勧めてくるのでしぶしぶ読んでみたところ、もう号泣。見くびってホントにごめんなさいでしたとバック宙土下座を決めるほど素晴らしい作品でした。
よく調べてみたらそれもそのはずで作者はなんと岳を書いていた石塚真一さん。そりゃ間違いなく面白いわけですわ。
下記に軽く「BLUE GIANT(ブルージャイアント)」のストーリー・見どころをご紹介するので気になったら是非手にとってお読み下さい。僕は読み始めたその日にKindleで最新刊まで一気読みしちゃいました。
”世界一のジャズプレイヤー”を夢見る主人公
「BLUE GIANT(ブルージャイアント)」の主人公は高校生。「宮本大」というバスケ部に所属するどこの田舎にもいるような普通の青年。
しかしある日聴き始めたジャズの曲に興味を惹かれ、ライブハウスでのジャズ演奏を目の当たりにして以来、プロのジャズプレイヤーを目指すようになる。
楽器はテナーサックス、独学で演奏を学び、毎日毎日河川敷で練習を繰り返す。
どんなに疲れていてもどんなに忙しくても練習を休むことはなく、真夏でも真冬でも彼はひたすら誰もいない河川敷で音を鳴らし続けます。
雨の日や雪の日はサックスを担ぎ、急な坂道を自転車で登り、山の中のトンネルで練習。とにかくひたむきに、実直にジャズに向き合い練習を続けます。それだけジャズが好きで、目標に対する強い志があるのでしょう。
最近社会人になって思いますが、続けられる人ってスゴく強いんですよね。何の分野でも成功する人はすべからく「続けて」います。しかも毎日欠かさず何かを続けられる人は周りでも数えるほどしか思い浮かびません。
その時はやるぞ!と思っても気づけば全くやらなくなっていたことって皆さんも数多くあるのではないでしょうか。方法とか効率とそういうことじゃなくて、どんなことでもまずはひたむきに「やる」。宮本大の姿は、基本的だけどとても大事なことをもう一度思い出させてくれます。
ブルージャイアントから「人を”惹きつける”音」が聞こえる
宮本大は元々バスケ部で毎日身体を鍛えていたこともあり、人並み外れた肺活量と、それによる「音量」を持っています。ここが彼の真骨頂ともいう部分で、荒削りではあるものの、人を惹きつける激しさや熱さのようなものを感じさせられます。
そんなこと言ってもマンガだから音聞こえないじゃん。と思ったそこのアナタ。いいえ、違うんです。
聞こえるんです。
この漫画、読んでるとホントに音が聞こえてくるんです。
決して僕が頭おかしいわけじゃなくて、コマの迫力・演出細かな描写から音が伝わってくるんです。
こちらは家族の都合で遠くへ引っ越してしまう親友へ別れの演奏を贈る一コマ。
もうめっちゃ号泣です。
どんな曲なのか、何を吹いているのか全くわからないんだけども一コマ一コマから確かな「音」を感じます。
多少音楽をかじってたレベルの僕でさえこんな感じなので、それこそジャズやバンドなんかをやってた人からしたらもっとヤバイはず。音楽漫画って結局恋愛とかストーリーに焦点を移しがちなんですが「BLUE GIANT」はホントに「音」で勝負をしている。こんなカッコイイ漫画なかなか無いでしょうよ。
応援してくれる周りの人々。
こういう音楽漫画って絶対途中で、「オレ音楽で食っていく!」と無謀な夢を語る主人公に対して「世の中そんな甘いもんじゃねえ」と親や周りからのお叱りが入り衝突するシーンがあるもんですが、「BLUE GIANT」はそんな衝突一切なし。周りの理解・応援がとにかく厚い。
母親がいなく決して裕福ではない家庭環境の宮本家だろうに、お父さんは大がやりたいということを無条件で応援してくれます。理想の父過ぎる。
そして大には兄が一人いるのですが、大が持っているサックスを買ってくれたのも実はこの兄貴。このエピソードがまたいいんですよ。
高校卒業して働き始めて最初の初任給からローン組んで大にサックス買ってあげるんですよ。しかも店で一番いいやつを。まだまだ若くて遊びたい年頃だっていうのに。泣いた。
ここまで手放しで応援されたらもうマジでプロのサックスプレイヤー目指すしか無いですよね。