必ず二度観たくなる映画「カメラを止めるな!」
2018/08/08
「カメラを止めるな!、もう見た?」
ここ1ヶ月の間で多方向の友人からこの質問をされました。
「カメラを止めるな!」というのは現在公開中の映画のタイトル。無名の役者・監督による作品、かつたった300万円の低予算映画にも関わらず見た人の投稿から話題を呼び、わずか2館での上映から全国へと広がっていきました。
その後も劇場のチケットは常に完売という異例な事態。
あまりに周りの人に「見た?」と聞かれるのでこれはもうもはや義務して見なければいけない、と上映劇場が追加されたタイミングで僕も観に行ってきました。
そして実際、鑑賞し終わった後の感想としては「これは確かに流行るわ、流行る理由があるわ」と納得してしまう内容でした。
「カメラを止めるな!」のどのような点が面白いのか、何故ここまで世間で騒がれているのか、という感想を書いておきますのでまだの方はご参考に。
書くのが難しい作品なんですが、ネタバレに関しては非常にシビアな作品なので極力触れないように行きたいと思います。
「カメラを止めるな!」あらすじ
photo:via 映画『カメラを止めるな!』予告編 –
― 廃墟でゾンビ映画を撮影する少人数の撮影隊。度重なる撮り直しと監督の苛立ちにより現場には常に緊張が走る。
一息つこう、と休憩を挟む役者たちだったが、突然ドアを叩く大きな音が。クルーが恐怖に怯える中、一人の女性がかつてこの撮影所が日本軍の不死の実験施設だった、という噂を語り始める…
この「カメラを止めるな!」という映画はできるだけ前情報がない方が楽しめると思うのであくまで触りだけ。
期待と疑問を胸に「これはどういう映画なんだろう」という考えを巡らせつつ楽しみながら鑑賞することをオススメします。
必見の37分ワンカット
「カメラを止めるな!」がこれだけ話題になっている理由の大きな一つがこちら。映画冒頭から始まる37分ワンカットの長回しシーン。
ワンカットのシーンを細かく見れば見るほどこの映画を楽しむことができるので瞬きすら我慢するくらいの気持ちで望みましょう。ここにこの映画の全てが詰まっています。
これだけの展開を全てワンカットで行うなんて大変だなぁ、何度くらい撮り直して練習したんだろう、なんて思ったらもう監督の思う壺。
一通り映画を見終わった後にもう一度このワンカットを観たくなること間違いなしです。
※ 基本的には楽しい映画なのですがワンカット部分には刺激の強い描写が多数描かれます。血が苦手、という方はお気をつけ下さい。
話題になる仕掛けがたくさん
少ない上映劇場からこの映画が全国的に話題になったのは、多数の芸能人や演劇、映像制作関係者から投稿されたSNSがきっかけ。
カメラを止めるな!なんですが7月4日にみて、それから今まで一瞬も忘れられなくて結局2回観ました😭👌
— 指原 莉乃 (@345__chan) 2018年7月25日
指原莉乃や生田斗真、斎藤工、伊集院光にマキシマムザ亮。
著名な役者がこぞって「カメラを止めるな!」を絶賛したのです。
ケイズで『カメラを止めるな!』初観賞。樋口真嗣監督ゲスト回
かなり期待値高めでしたが軽々と飛び越えてきました!
必見!
構成の妙が素晴らしく、ソレを最大限に活かす演出と演技がハマって笑うしジーンと来るし。
予告編見ちゃうと楽しみが減るレベルのネタバレ禁止劇。
是非なる早で観賞を。 pic.twitter.com/esDpyeOhWW— ル・マーキュリー (@ru_mercury) 2018年6月25日
すぐに広まる「チケット完売」の文字。
そして誰もが内容については口を開かず「とにかく見て!」の一言しか言わないので気にならないはずがありませんよね。
何故こういう事態になったかは作品を鑑賞すればわかります。あまり深くは語りませんが、映像制作の現場をとにかくリアルに描いた作品なんですよねこれ。なのでその世界にいる役者や制作関係者からすると共感の思いが止まないのではないでしょうか。思わずシェアして広めてしまう気持ちがわかります。
そしてターゲットが「映像関係者」というニッチな人かつインフルエンサー的な人たちなので波及効果が物凄い。
コアに響く人にぶっ刺して、それを広げてもらう。これをもし初めから計算していたのだとしたら監督は相当の切れ者でしょう。
こうして今記事を書いている僕自身もまんまとその策略にハマっていますからね、参りました。
マスメディアを一切使わない、現代のマーケティングの大成功例。
「皆で作る」ことの苦しみと楽しみ
「カメラを止めるな!」で監督が伝えたかったメッセージは最後のワンシーンに凝縮されていると思います。
ある問題を解決するために、登場人物達全員が協力して”あること”を行うのです。役割が違う人達が皆で支え合い、積み上げて作品を完成させる。あの姿がこの「カメラを止めるな!」という映画を象徴的に表しています。
人が集まって何かをするというのは時に辛く苦しく難しいことがあると思いますが、達成した時の喜びには報われてあまりあるほどの価値がある。
舞台や映像制作、イベント企画、文化祭の実行委員など「みんなで一つのことを成功させる」という経験をしたことのある人には必ず楽しめる作品です。
あの時の苦労と感動を思い出したいあなたに。