不動産版ことりっぷなマンガ「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」 ディープでニッチな街の魅力を。
住めば都とはよく言ったもの。
本日も“monograph”をお読みいただきありがとうございます。PITE.(@infoNumber333)です。
最近毎日一日一冊新しいマンガを読むという完全に個人的なチャレンジを粛々と続けています。もう最近では習慣化してしまって夜寝る前に一冊読まないと落ち着いて寝れないレベルにまでなってきました。
寝る前に読むマンガって思った以上に夢に影響するもので、殺伐としたマンガを寝る前に読んでしまうとその日の夢も凄惨な結果になってしまうんですよね。闇金ウシジマくんは寝る前に読むもんじゃないわ…
なので最近は寝る前読むマンガは心安らぐ暖かいマンガを好むようになってきました。刺激はいらない、できるだけ平穏な気持ちで寝たい。これが年を取るということなのだろうか、と思いつつもやめられない。
吉祥寺だけが住みたい街ですか?
image via:吉祥寺だけが住みたい街ですか?/マキヒロチ
最近知人に紹介をされて、正確には知人がその友人に紹介されているのを聞いて読み始めたのが「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」というマンガ。
いつかティファニーで朝食をで有名なマキヒロチさんによる作品で既にドラマ化もされているそうです。キャッチーなタイトルとシンプルな装丁に惹かれ、Kindleで購入してみたら癒されるのなんの。あっという間に読み進めてしまいました。
重田不動産のぽっちゃり姉妹
このマンガは親の後を継ぎ重田不動産を営業している双子の姉妹のところに訪れるお客さんの顛末を描いた物語。姉(右)は金髪のハードロック好きのお人好し、妹(左)は黒髪のヘヴィ・メタル好きの無口。見た目からおよそ不動産屋とは思えない風体ですが彼女達には確かな物件を見る目、そして人を見る目が備わっています。
水戸黄門的安定感のある構成
「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」の話の構成はいつも全部同じ。まず始めに何らかの悩みをかかえ物件を探しているお客さんが重田不動産のドアを開けるところから。ドアを開け「何この姉妹!?」と驚き「物件情報出て来るの早っ!」とさらに驚く。
じゃあ吉祥寺やめよっか?
そして一通り物件を見た後、「じゃあ吉祥寺やめよっか?」と言い出し現場まで急行する、ここまでがいつもの流れ。
連れて行かれるのはいつも「雑司が谷」や「錦糸町」など東京の中でもあまり陽の目が当たることの少ない街。しかし街を歩き、視線を通りに向けてみると今まで見えてなかった街の良さが見えてきます。
悩みと引っ越し。
引っ越しは人生の転機と重なることが多く、その転機は必ずしも好ましいものであるとは限りません。重田不動産を訪れるお客さんは何かしら引っ越しと共に悩みを抱えていて、その悩みを新しい「街」と「家」が解決してくれます。
お客さんの好みや悩みを感じ取り、重田姉妹は的確な物件を紹介していきます。決してファンタジーの世界ではなく、本当に現実にその街に存在するであろうリアルな紹介はまるで自分が内覧に行っているかのような感覚。不動産の内覧って何となく少し楽しいですよね。「ここに何置こう」「下駄箱が思ったより広い」「カーテンは何色にしよう」とあれこれ考えているだけで心が弾みます。あの感覚を毎話擬似的に味わえるイメージ。
そして内覧の帰り道、物件のある街で姉妹から食べ物を奢ってもらい立ち食いをする、ここまでもテンプレ。だいたいこのタイミングでお客さんは落ちます。
吉祥寺だけがいい街じゃない
このマンガの主題は「吉祥寺はたしかにいい街だけど、吉祥寺だけがいい街じゃない。」という言葉が表していると思います。吉祥寺がいいのは客観的に見ても間違いないでしょうが、それ以外にもいい街、その人に合った街というのは沢山あります。家探しでも何でも、凝り固まった既成概念に縛られていないかを定期的に省みてみようと思いました。
毎話毎話新しい街の知らなかった魅力を再発見させられ、僕自身引っ越して来たばかりですがついつい引っ越したい気持ちになってしまうマンガ。
「不動産版ことりっぷ」とでも言うようなニッチでディープな街の魅力を知れる、東京に住んでいる人に強くオススメしたいマンガです。