映画「白ゆき姫殺人事件」ネタバレなしあらすじ・感想。客観的な”真実”なんてこの世に無いんだよ。

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本日も“monograph”をお読み頂きありがとうございます!
PITE.(@infoNumber333)です。

楽しみにしていた湊かなえ原作の映画「白ゆき姫殺人事件」を昨日見に行く予定だったのですが、うっかり電車を逃して見ることができなかったので今日のお昼に池袋のHUMAXで鑑賞してきました。

同じ「姫」モノでも大ヒット中の愛と希望溢れるディズニー映画とは対極に位置するするようなダークなこの映画。現代のネット社会・SNSを巧妙に描き、冒頭から最後のワンシーンまでスクリーンから目が離せない素晴らしい作品でした。

SNSやブログを日常の様に使う僕達が、見ておく必要のある映画です。

「白ゆき姫殺人事件」あらすじ

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山中で発見されためった刺しの焼死体。
犯人不明のこの事件は被害者の美貌から「白ゆき姫殺人事件」としてSNS上で異常な過熱を見せ始めることになる。

テレビ局で働く契約社員「赤星」は大学の友人からこの事件について相談を受け、関係者にインタビューを重ねながら事件の真相へと近づいていく。

そして彼らの証言から導き出された犯人が被害者の同僚「城野美姫」だった。
赤星は捜査の情報をSNSへと投稿しワイドショーの特番を組み「S」こと城野美姫を追い詰める。

姿を消した城野美姫はどこにいるのか。
”真実”の証言はどれなのか。
本当の犯人は、誰なのか。

SNSネット社会の闇を描いた誰も観たことのない群像サスペンスが、ここから始まる。

真実なんてこの世に無い。

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この「白ゆき姫殺人事件」は登場人物一人ひとりの「証言」によって物語が進んでいきます。

通常の映画のような客観的で絶対的な視点とは違い、その人物の主観的な物語なのでそれが”真実”なのかどうかがわからないというのがこの映画の面白いところ。

同じシーンなのに話し手が違うと演出も少しずつ違ってくるのが見ていてとても衝撃を受けました。
皆、嘘をついているというわけではなくその人が思う”真実”を話しているだけなのにこんなに印象が違うとは。

”真実”とか”事実”なんてものは人間の数だけあるということですね。
劇中に出てくる「人間は自分に都合よく記憶を作る」というセリフが重かったです。

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この入り組んだ人間関係の中で描かれる一つの、いや無数のストーリー。
数々の証言が絡みあい一つの「結果」にたどり着きます。

軽いネタバレになるかもしれませんが一応これだけ言っておくと、ちゃんとこの中に犯人がいます。
その一人だけは自分の思う”真実”ではなくれっきとした”嘘”を付いているので誰が犯人か推理するという意味でも楽しめるでしょう。

湊かなえの真骨頂。

このような一人ひとりの主観で全体的なストーリーを進めていくというのは原作者湊かなえの得意にして特異な手法で、数年前に話題になった「告白」でも同じ手法が使われています。原作者は違いますが藤原竜也が出ていた「パレード」にも似ている部分がありますね。

今作「白ゆき姫殺人事件」では「告白」よりもその「主観性」に磨きがかかっていて、見る立場によって一つの事件が全く違うものに見えてきます。

そしてもう一つの湊かなえの特徴が、人間に対するとにかくリアルな描写。

「あぁ〜こういう人いるよね…」

「こういうツイートよくあるわ」

と思わず感心してしまうほどよく「人」というものを見てリアルに描写しているなぁと感じます。さらに今回は映画なので監督、脚本、そして演者と関わる人たちが増えているのにそのリアル感が薄まっていない。むしろ濃くなっているということに驚きましたね。湊かなえ作品は読んだり観たりする度に必ずドキッとします。

SNS社会に生きる僕たちは観ておかなきゃ。

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「主観性」と並ぶこの映画のテーマがSNSやマスコミのはらむ凶暴性だと僕は思います。

劇中出てくるツイートの内容も、大勢に流される風潮も、状況が変わるとすぐ手のひら返しをする性質も全てがリアル。

これを観るともしかしたら僕達も知らず知らずのうちに、誰かの首を締めているのかも…とひやひやしちゃうよ。

特に僕たちのようなある程度人に観られているブログやTwitter、Facebookはこれを観て安易なつぶやきやリツイートがどれほど危険性を持っているのか考える必要があると思います。

きっとこの作品は湊かなえから僕達への「警鐘」のような作品なのでしょう。

テレビも新聞もSNSもそれが真実とは限りません。
もっと言えば誰に対しても客観的な”真実”なんてものは存在しません。

それに加えて「映画」としての演出の仕方も素晴らしいです。

物語が進行しながらツイートが流れてくる。
こんな映画今まで見たことありますか?

SNSが万人に普及しつつある現代社会だからこそできた映画ですね。
5年前では絶対作ることのできなかった作品。
こういう映画を見つけられたときほど嬉しい事はないです。

みなさんもこの映画を観て、SNSやテレビの見方を今一度考えてみてはいかがでしょうか。

映画『白ゆき姫殺人事件』作品情報 2014年3月29日公開!

ホーリーはこう思うよ。
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今年に入ってから観た映画の中では抜群の一押しですね。それにしてもこんなに可愛くない井上真央を観たのは初めてです。良い意味で。あと公式サイトがよくできてますのでチェック。

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