伝統と最新が紡ぐ最小の最適解。フォクトレンダー NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

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    2019/01/31

Voigtlander 35mm f1 4 0010

この世の中「全て」を手に入れることは決してできないのだから、何を「捨て」何を「選ぶ」か。

その集積が人の個性やスタイル、考えとして形作られていくのだと僕は思います。

僕が今使っているレンズもその集積の結果の一つ。ほしい機能や要素の中から本当に大事なものだけをふるいにかけ、選ばれた形です。

フォクトレンダー NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

Voigtlander 35mm f1 4 0006

僕はSONYのα7を初代、R2、R3と三代乗り継いで来ています。小さなボディにフルサイズの大きなセンサー、手ぶれ補正が付いていて発色も鮮やか。長い間とても気に入っているシリーズです。

本体に関しては満足して使っているのですが、気になっていたのはレンズのサイズ。

フルサイズセンサーに対応するため、明るいレンズはどれもサイズが大きくなりがち。物によってはカメラを持ち歩いているのかレンズを持ち歩いているのか分からなくなるほどです。

きちんとした撮影の際は仕方ありませんが、普段のお出かけくらいはもっと身軽に持ち運びたい。

そんな悩みを解決するために昨年はサムヤンの薄くて軽いレンズを付けていたのですが、35mmという標準的な画角とF2.8というまずまずの明るさから撮影を重ねるうちに「もっと面白い写真を撮りたい」という欲求が強くなっていきました。

参考:サムヤンの軽量コンパクトレンズ35mm f2.8 AFレビュー(SONY α7 RⅡ)

Voigtlander 35mm f1 4 0007

そして今僕が辿り着いたのが、コシナから発売されているブランドVoigtlander(フォクトレンダー)NOKTON Classic 35mm F1.4 SCというレンズです。

軽さと小ささ、そしてレンズのキレは譲れなかった

Voigtlander 35mm f1 4 0008

僕が「持ち歩き用のレンズ」として選ぶモノにどうしても譲れなかったのは「軽さ」「小ささ」、そして「明るい」という3点でした。

この3要素を実現するレンズを今発売されている最新のレンズ達の中で探してみても見つけることができず、目を向けたのはマニュアルフォーカスのレンズ達。

フィルム時代から存在するこれらのレンズはフルサイズのセンサーサイズに対応していて、それでいて小型のものが多いのが特徴です。

いくつかマニュアルフォーカスのレンズを試す中で、サイズや写りで一番しっくり来たのがNOKTON Classic 35mm F1.4 SCというレンズでした。

Voigtlander 35mm f1 4 0005

このレンズは10年前に発売されたレンズで、小さく軽くF1.4という明るさを実現した一本。

今はEマウントに対応したアップデート版も出ているのですが、僕は先代のVMマウントのものを選んで使っています。

本体のデザインと写りのクセが個人的に好みだったんですよね。Eマウント用のものは一回りサイズが大きくなってしまうというのもネックでした。

α7との接続にはK&F Conceptのマウントアダプターを使用。

Voigtlander 35mm f1 4 0003

実際にα7 R3に装着したのがこちらです。

本体のバランスがとても良く、威圧感のないカメラらしいフォルムを実現してくれる小さなレンズ。

Voigtlander 35mm f1 4 0004

アダプターの装着によって多少出っ張ってはしまいますが、許容と言える長さでしょう。

Voigtlander 35mm f1 4 0002

オールドレンズを彷彿とさせるクラシカルさが最先端の機能が詰まったボディとここまで調和するとは。

こういった相反するモノがぴたりとハマる瞬間に出会えると心が踊りますよね。

ピント拡大とピーキングがある。

Voigtlander 35mm f1 4 0009

この小さく軽く、明るいレンズを選ぶ際に僕が捨てた「オートフォーカス」という機能。

これを捨てても良いと思えたのはα7に搭載された「ピント拡大」「ピーキング」という二つの補助機能の存在があるからでした。

「ピント拡大」は文字の如く、ピントを合わせている面を画面で拡大し、より追い込みをかけれるようにしてくれる機能。

「ピーキング」はピントが合っている部分に色を付け、よりピント面を視覚的に分かりやすくしてくれるというものです。

オートフォーカスはとても便利な機能ですが、普段のスナップや風景撮影など一瞬一秒を争わないシーンであれば、この2つの機能で補えると判断しこのレンズを買うきっかけになりました。

最近では慣れてきたこともあり、難なくスムーズにピントを合わせられるように。道具を変えれば身体が順応していくものなんですね。

NOKTON Classic 35mm F1.4 SCの作例達

レンズ本体の外観やスペックもさることながら気になるのは「どんな画が撮れるのか」というところだと思いますので、後は作例を交えつつ簡単に。

このフォクトレンダー NOKTON Classic 35mm F1.4にはSC(シングルコート)MC(マルチコート)という二種類があります。

SCはオールドレンズっぽさを残した味のある写りを再現し、MCは現代風のクセのないレンズに仕上がっています。

僕が選んだのはSCの方で、確かに陰影と色味の強い個性のあるレンズだと感じます。

明るさはF1.4から使えるのですが、開放で撮ると少しピント面がにじみぼやっとした印象に。

ピントが合っているような、合っていないような曖昧な画になりますが、その曖昧さが良い雰囲気だと感じることも。

F1.8〜F2くらいまで少し絞ってあげるとキリッとキレが増してきます。

35mmという画角なのでスナップ写真をとるにはもってこいですね。

平凡な画角でもレンズの写りのおかげでどことなくノスタルジックな写真に仕上がるので楽しいです。

光の強い場所だと周辺の露光落ち(四隅の暗い影)がかなり顕著に出てきますね。

めちゃめちゃ頑張れば動く被写体にもピント合わせられます。

このレンズは特に夕方あたりの暖色の光で映えるような気がしますね。こってりとメリハリのある画が撮れます。

Voigtlander 35mm f1 4 0001

最短撮影距離が0.7mなので寄ることはできないんですが、くっきりと被写体が浮き上がるので意外とモノ撮りにも使えそうだなと思ったり。この近さでこの立体感が出るのは流石だなぁ。

曇りの日に撮るとこんな感じ。湿度が写るような、雰囲気を残してくれるレンズ。

晴れたら晴れたでパキッと写ってくれるんですよね…。良い。

これくらいの距離ならちょっとしたポートレートも撮れます。

このレンズで特に気に入ってるのは上の写真ですね。

雪の湿った感じに、目を引く発色の良いポストの赤。離れているのにキリッとした立体感が感じられます。これが小さく軽いレンズでパシャッと撮れてしまうのだからもう言うことないです。

削ぎ落として、見えてくるもの

Voigtlander 35mm f1 4 0010

今回このレンズを選ぶ上で、改めて自分の考えやスタイルが整理されたような気がします。

いつでも持ち出せる、小さくて軽いレンズがほしい。その見た目にも写りにも妥協はしたくない。

ただ、自分でピントを合わせるという「手間」は我慢できるし、実際にやってみたらその「手間」も楽しめるということが分かりました。

伝統のレンズと最新のボディを組み合わせた、今の僕の最小の最適解。これからもっと色んな所に連れて行ってみたいと思います。

関連:monographの鞄の中身

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今回のカメラとレンズを含めた僕の鞄の中身について記事でご紹介しています。もしこの記事で、他のモノについても気になったらご覧になってみて下さい。

2019年版 monographの鞄の中身

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α7はあとはバリアングルにさえなってくれれば、もう完璧だと思います(SONYさんお願い…!

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