テーブルフォトに彩りを。インスタ撮影用の背景紙を集めたムック本「Flatlay sheet」
ファインダーを覗いた時、あなたは何を見つめていますか。
僕は仕事でもプライベートでも普段からカメラで写真を撮る機会が頻繁にあります。そして最近気がついたことが一つ。僕は”モノ”を被写体とすることが多いので、今まではファインダーを覗いても”モノ”その物のカタチだけを、見つめていたということです。
被写体を見つめ、モノの詳細や機能を分かりやすく伝えることは大切ですが、それと同じくらいそのモノがどういう場所でどういうシーンで使われるのかを想像させるのも同じくらい大事。今までよりも被写体から一歩だけ引いてみて、その周辺を”演出”する工夫を始めました。
布を引いたり、植物を置いたり
monographを詳しくお読みの方は気づいていると思いますが、去年の中盤辺りからモノの背景が変えてみたり、植物の緑を挿し込むように意識をしています。上の写真はレンズの上質さを演出するためにベロアの布を一枚テーブルの上に引いています。こういった小さな工夫だけでテーブルの上が別世界に変わるんですよね。
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「別世界」のバリエーションを増やす
布は確かに良い選択肢だったと思うのですが、もう少し手軽に、安価に、幅広くバリエーションを増やしたい。そう思っていたところにちょうど塩谷 舞(milieu編集長)(@ciotan)さんがTwitterで「Flatlay Sheet(フラットレイシート)」というインスタ撮影用の背景が詰まった冊子を紹介していたので、その場で購入。先日自宅に届いたのでモノは試しと早速使ってみました。
Flat + Layout = Flat lay
「Flat Lay」というのは平らな場所にアイテムを並べ、映える形でスタイリングした状態のことを指します。鞄の中身やポーチの中身などインスタでよく見る構図ですね。
ただ普通の机の上に置いて、映える写真を撮ることは難しいですが、そこに一枚「背景」を置いてあげるだけで写真の中は別世界に変わります。そんな沢山の「世界」を演出するシートが集まっているのがこの一冊です。
簡単にではありますが、写真の撮り方や加工の仕方などもHow toとして載っているのでインスタ入門用としても便利な一冊。
捲るめく、背景の世界
どんな背景シートが入っているかをチラッとご紹介。これは海をイメージさせるページですね。貝殻とか乗せて写真撮ってみたい。
それぞれのページは切り離しができるので折り目なく平行に、どんな場所でも敷くことができます。
こんな世界が22つも一冊の中に詰まっています。これで何と540円というから驚きです。1世界24.5円。
作例をいくつか。
実際使ってみた写真を見せるのが一番分かりやすいかと思うので、ここからは作例を簡単にご紹介。上は大理石のような上質なイメージのシート。
一方こちらは緑の水彩画を背景に。同じモノ、同じ配置でも背景を変えるだけで印象が驚くほど変化します。
こちらは僕が毎朝使っているヘアケアセットを無機質なタイル上のシートの上に乗せてみました。何となく清潔なイメージ。
色の強いボーダーは目を引きますね。爽やかですがインパクトも与えられるのでこれは多用してしまいそう。
ビビットな一色の背景も使いやすいですね。雑誌でこういう写真よく見ます。
演出したい雰囲気に合わせて、色と柄を変える。数ミリの紙を間にかませるだけで印象は大きく変わります。
ちょっと邪道かもしれませんが、複数のシートを組み合わせてオリジナルの背景を作ってみるというのも面白いですね。
「モノ撮り」というのは正確には「モノとその周辺の背景の撮影」です。世界を少しだけ広く、多層的に見るための良いヒントをくれた一冊でした。