【ネタバレあり】攻殻機動隊 ARISE border:2 Ghost Whispers のあらすじ・考察をまとめてみました。|感想・レビュー
2014/11/16
今日もNUMBER333をお読み頂きありがとうございます!PITE.(@infoNumber333)です。
早く電脳化したいッ…!
一昨日公開開始となった攻殻機動隊シリーズの最新作、「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispere」を見てきたので今日はその感想記事を書いていきます。
この「ARISE」シリーズは今まで公開された攻殻機動隊シリーズのメインキャストである「公安9課」が結成されるまでを描いた作品。全ての物語の始まりの物語、ワンピースで言えば麦わらの一味結成のイーストブルー編のようなものなので攻殻機動隊ファンなら気になってしょうがない作品でしょう。
border2は全4部作の中盤なのでストーリーもさることながらアクション多めの楽しみやすい回になっています。一応ネタバレを含むので気になる方は劇場で作品を楽しんだ後にもう一度ここに戻ってきて読んで頂けると幸いです。
border2: Ghost Whispers あらすじ
攻殻機動隊やエヴァなどこの手の作品は物語を追うだけでも難しいので、まずは今回の「border:2 Ghost Whispere」のあらすじをざっと解説していきます。
—– あらすじここから —–
border1で所属していた501機関から草薙素子は独立を果たし軍内部である程度の自由を獲得することに成功する。公安9課の荒巻から舞台への所属を持ちかけられるが素子はその誘いを断り、「階級を超えた実力主義の個の集団」という独自の部隊の結成を考えていた。そのさなか、何者かによるサイバー攻撃を受けロジコマがハッキングされる。調査を進めると、複数台存在するロジコマの中で1体の中にだけある特殊なデータが残されていることに気づく。
荒巻の要請で調査のためにそのロジコマをラボまで移送する素子だったが、バイクに乗り高速道路を走る途中で突然、武装集団からの襲撃に遭う。そこには「眠らない眼」を持つ元レンジャーのバトーとボーマ、元陸軍情報部のイシカワの姿があった。
彼らは難民虐殺の罪で犯罪者として法廷に立たされている混成78部隊の元上官ソガ・カズヤ大佐の無実を証明するために特殊軍事モジュールで電子的作戦を進めていた。
その作戦というのは、電子制御された交通情報網をハッキングし道路を利用する人々を人質とすることで政府の情報機密”パンドラ”へのアクセス権を奪取するというもの。
彼らはその軍事モジュールに干渉できる並列解除コードの複製がロジコマに隠されたことを掴みロジコマの破壊を狙って素子を狙う。
素子は地下駐車所で78部隊の操る戦車型ロボットと交戦し、危機に陥るが米軍情報部のエージェントと名乗る謎の女「ヴィヴィ−」によって助けられる。
ヴィヴィ−から軍事用モジュールの詳細を聞いた素子は、ヴィヴィーとともに陸軍警察のパズ、海兵隊のエーススナイパーのサイトーをスカウトし反撃に出たのだった。
78部隊の潜伏先であるビルを突き止めた素子は侵入を試みるも、用意されていた防壁迷路に捉えられてしまう。そこで素子はソガ少佐のカルディスタンでの難民虐殺についての記憶が何者かによって作られた擬似記憶であることに気づく。
ビル内での戦闘でイシカワとボーマを制圧し、少佐の擬似記憶を解析して作ったワクチンを使い2人は真実を知り素子達に協力を申し出る。
唯一逃走したバトーを追いかけるため、素子達は交通管制ドミネーションの効果を受けない年代物のバイクと特別仕様の車で高速道路を追走。そこでサイトーが裏切りヴィヴィ−の腕を狙撃するが、素子がサイトーの乗るヘリを対空ミサイルで撃墜する。
ここで荒巻が動き、道路全域に検問を敷き車両を全て止めるという作戦を取る。このため全車両のAIは衝突を避けるための衝突回避システム(アイサイトのようなもの)にリソースを割かなくてはいけなくなり結果的にソガ大佐の並列ネットワークの出力が低下、パンドラへのアクセスが阻止された。
計画を阻止され真実を知ったソガ大佐は自分が国防省次官に利用されていたということを知り次官を射殺後、この事件を収束させるためにネットのハブである自分を消すために自殺する。
一方バトーの乗る車両に追いついた素子はバトーと一騎打ちの末、勝利。ワクチンを投与しバトーに真実を知らせる。
これで自体は収集されると思いきやヴィヴィーは実はAIであり、秘密裏にパンドラへとアクセスしようとしていることが発覚。素子は操られたロジコマに捕らえられるがバトーによりヴィヴィ−の破壊に成功。
最後に「私の…ゴーストが…ささやいて…」とつぶやき停止する。
このAIは元々米軍情報部が管理していたもので謎のウイルスに感染後脱走し行方不明に、その後軍事モジュールを持ち出し国防相次官にパンドラへのアクセス権を持ちかけていた。
事件の収束後、勾留所で素子はバトーに自分の率いる新部隊への所属を提案する。
擬似記憶に縋るバトーはこの記憶を消せるのならば、と素子への協力を承諾し牢屋を後にする。
—– あらすじここまで ——
いやー入り組んでてわかりづらいですねーw
そこが面白いところでもあるんですが、初見だとストーリーを理解するだけでも大変です。
観てきて「???」だった人はまずはここからおさらいしみて。
3Dで動きまわるアクションがスゴい!
今作はストーリー半分、アクション半分といった感じでバトルシーンやチェイスシーンが多い作品でした。
ぐるぐる回るカメラワークや目まぐるしく変わる視点に翻弄されつつも手に汗握るバトルが楽しい。
そしてメカデザインもゴツゴツしてていい感じですね。無骨。
ロジコマも含めてプラモ化されないかなー。
交通網が全てAIに管理された世界
今回のborder2の設定では道路を走る車両全てがコンピューターによって制御されています。これは結構タイムリーな話題で、Googleが自動操縦の車を開発している今、数年後にはこのような世界が訪れていても何ら違和感はないです。
同じような世界観のアニメで「サイコパス」はこの辺りが甘かったんですよね。未来化されている部分とされていない部分がちぐはぐ過ぎて。
「全てが自動化された未来」は確かに便利ですが、このような大きなリスクも孕んでいるという警告なのでしょうか。
バトー・イシカワ・ボーマがイン!
後に公安9課を構成するメンバーとなるバトー、イシカワ、ボーマが今作で新たに素子の部下となりました。
ヘッドギアを付けてパソコンをカタカタしているおっさんだと思っていたイシカワがまさかの武闘派設定というのには驚きましたw
「きな…遊んでやるよ。」
のところの格好良さ。濡れる。
このシーンのためだけでもborder2を観る価値はあります。
バトーとイシカワはわかるんだけどボーマって何でスカウトされたんだろう…。実力的に大したこと無いし。「あいつ誘うならあいつも誘わなきゃまずくね?」的な大人の事情でしょうか。
ともあれ、これで公安9課の大体のメンバーが揃ったので(サイトーはよくわからない)次はトグサの版でしょうか。
早く全員揃った画を見てみたいですね。
謎のウイルスはもしかして…
今作の副題「Ghost Whisper」。
直訳すると「ゴースト(自我)のささやき」なのですが、今回は素子ではなくAIであるヴィヴィ−がそれを口にしました。
ヴィヴィ−は「謎のウイルス」に感染し自我を得て、そのウイルスの出処を求めて今回の事件を起こしました。
つまり、機械が自我を求めた、自分とは何なのかを知るために起きた事件ということです。
僕はこのウイルスが前作border1で素子が感染した「ファイアスターター」というウイルスと同じものなのではないかな、と考えているのですがどうでしょうか。いずれにせよこの「謎のウイルス」がこのシリーズを通して鍵になっていきそうな予感がします。
そして、もしかしたらこのウイルスが攻殻機動隊の初代の映画作品「攻殻機動隊 Ghost in the Shell」で登場した「人形使い」に繋がるのではないでしょうか。
予想は尽きませんが、とりあえず来年6月に公開される次回作border3を楽しみに待ちながら想像に耽りたいと思います。