【映画】いい父親になろうと決めた。「そして父になる」を観てきました。ネタバレありです。/あらすじ・感想レビュー・評価

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父親、かぁ。僕にとっては遠い話のようだった「子供」という存在が最近では身近に感じるようになってきました。
PITE.(@infoNumber333)です。

僕ももう今年で23歳。同級生ではもう二児の父、なんて友達もいます。凄いなァ。

だけども今まではどこか「自分とは関係の無い話」と思っていた節があり「自分の子供」ということに関しては全く想像も及びませんでした。

しかし、最近「子供」というものを強く意識させられる出来事がありました。

何を隠そう、東京オリンピックの招致決定です。

招致が決まるまでは僕もオリンピックにはいまいち乗り気ではなかったのですが、「7年後に東京で、オリンピックが開かれる!」という決定事項を突き付けられた瞬間、7年という時間が強烈にリアルな感覚へと変わりました。

7年後にどうなっているか、ではなく東京オリンピックを見る頃には自分はどうなっているか。

順調に進めば会社に就職し、それなりに責任を任されるポストに立っていることでしょう。子供が生まれている可能性も大いにあります。

7年後のオリンピックがちょうどいい「区切り」というか「目標」として機能しているような状態です。

それから先の話はまだわかりません。

とりあえず、「オリンピックまでには」。

きっと僕以外にもこのような気持ちを抱いている人はたくさんいるでしょう。その「7年」を考える家庭で「子供」という存在に対しても実感が湧いてきました。

そんな折に、福山雅治主演・カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作「そして父になる」という映画を観てきました。

前置きがめちゃくちゃ長くなってしまってすみませんw
なぜか語りたくなってしまって。

今回は「そして父になる」のあらすじ、感想を記事としてまとめておきます。ネタバレもきっと含むと思いますので気になる方はご遠慮ください。とは言え、アクションやサスペンスのようなストーリー自体に起伏がある映画ではないのでそれほど神経質にならなくても大丈夫かと。

ちょうど「子供」や「父親」ということについて考えていたこの時期に見て大正解だったと感じる映画です。

そして父になる あらすじ

6年間育てた息子は、他人の子でした。

大企業に勤め、都心の高級マンションに妻と息子の3人で暮らす野々宮良太。客観的に見ても「成功者」である彼のもとにある日一本の電話が届く。

実は6年間育ててきた自分の息子、慶多は本当の自分の子供ではなく他人の子供だったのだ。

真実を知った後、”本当の息子”を育てた斉木夫妻と対面する良太たち。

大人しく行儀の良い慶多と違い本当の子供である「琉晴」は育ての親に似て粗野な言動が目立ち落ち着きがなく、自分とはまるで似ていないではないか。

妻は息子が本当の子供ではなかったと気づかなかった自分を責め、良太は息子をどうするべきか葛藤を繰り返していく。

息子を、交換するべきか、そのまま育てるか、それとも2人まとめて引き取るか。

血の繋がりだけが、果たして親子の繋がりなのだろうか。

「父になる」ということを「子供の取り違い」という出来事から描いた作品。

そして父になる 感想

鑑賞中は2時間という長さを全く感じさせないほど見入ってしまいました。こういう人間ドラマ系の邦画は途中でだれてしまう事が多いのですが、この映画に関しては終始集中させられました。というのも、出てくる登場人物達や状況がとてもリアルなんです。

福山雅治演じる「野々宮良太」は仕事では成功しているが、忙しくほとんど家族サービスができていない父親。社内結婚で結婚した妻みどりは息子の将来を考えて小学受験に臨む。

一方対照的なリリー・フランキーと真木よう子演じる斉木夫婦は群馬の小さな電気屋を営んでいる。妻はパートに出かけ収入は少ないが子供達との時間を大切にし暖かい家庭を築いている。

僕はアルバイトの関係で小学受験をする親子とお話をする機会が多いので良太達夫妻の気持ちや状況はよくわかります。一方で僕の実家は自営業で生計を立てているので斉木夫妻側の気持ちもよくわかります。その立場の僕から見ても両夫妻は非常にリアルで福山雅治とリリー・フランキーという配役も絶妙でした。

この対照的な二組の夫婦の間で起こった「子供の取り違え」という問題。観なくてもわかると思いますがただ事ではありませんよね。

先に結末を言ってしまうとこの映画の中では、明確な結論は出ません。

が、しかしこの作品では「そして父になる」というタイトル通り、主人公良太がこの問題を通して「父になる」という過程が描かれます。

明確な結論は出ませんが、エンディングカットで描かれる「古びた電気屋の前に停まる高級車」という画がその答えを暗示しているのではないか、と僕は思っています。

全編にわたって静かなピアノの音色が響く、静かな映画ですが目をそらすことのできない緊張感があり、最後まで見入ってしまうこと間違いなし。観客も笑いどころでは笑い、泣きどころではしっかり泣いていました。

きっと僕はこのままのルートで行くとどちらかと言えば良太に近い父親になると思うのでこのタイミングでこの映画を見ることができてよかったです。

「父親」になるということを深く考えさせられる一本でした。
これから父親になる人、もう子供がいる人どちらにも是非観てほしい映画です。

最後に一つ思ったのはこれが「息子」でよかったなぁということ。
もし「娘」が取り違えられてたら余計ややこしそう。
僕だったらきっと母親任せにしちゃいます。

Pite(@infoNumber333)はこう思うよ。

真木よう子のウインクにやられた。

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